US-95 (Las Vegas → Laughlin)

ここはもう既にラスベガス(Las Vegas)圏外。
深夜の「ロスト・ハイウェイ（by デビッド・リンチ）」、US-95号線をひたすら南へ一直線。
漆黒の闇の中、周りに何も見えませんが、あたり一面砂漠だと思われます。
それにしてもこんな時間かかわらず、レンタカーをチェンジできたのは本当にラッキーでした。
望んだとおりに物事が進んだお陰でかなり安堵し、疲れもかなりとれて、やはり当初の目的地まで南下することにしました。
既に23:30。でももうひと踏ん張りします。
それにしてもとんだ遠回りでしたが、目指すラフリン(Laughlin)の街は、まだまだ先。

US-95の途中、サーチライト(Searchlight)の町の一角にて。
サーチライト・・これがここの地名です。妙にかっこいい。
なんだか闇夜を照らす「閃光」のイメージ。
地図で地名を見つけたからというだけで、実際訪ねてみたいと思ってしまう所があります。
感覚的なものでしかないのですが、ここなんてその代表格。
意識しないと何て事ない土地でしょうけど、意外とこういう所が妙に記憶に残ったりします。
ちなみに先のNipton Rd.を東に進めば、この町までショートカットできます。

急いで先を進みます。もうとっくに日付も変わってます。
予定では昨晩の21時にはラフリン入りして、カジノを少々嗜んでいた筈なのに・・
なかなか事前に立てた予定通りには行きません。だが、それがいいｗ
センターラインの中心から、漆黒の闇を照らすライトが左右に広がってきました。
ここもまた、未知の町中。

ここはカルネバリ(Cal-Nev-Ari)。ネバダ州境によく点在するカジノ町の一つ。
スペルを見てわかる通り、地名は隣接する3州の頭文字をくっつけただけ。
いいかげんな気もしますが、東京にも国立という例があるし、あまり悪くも言えません。
僕的にはこの地名も、土地にまつわる歴史の浅いアメリカっぽくてアリです。

まるで「キル・ビル vol.2」でマイケル・マドセンが用心棒をしてたような、このカジノの中を覗いてみようと思いましたが、よそ者が気軽に入れる雰囲気ではありません。
それにこんな時間、周りには誰も歩いてない。不気味な町中、車に乗ったまま見学します。
町の裏手、US-95に平行する家屋群の少し奥に、広大な空き地が存在しています。
この空き地、未舗装のわりにかなり整地され、走ってみると町に沿ってかなり細長い。
ひょとすると、ここは滑走路じゃないか・・という気がしてなりません。

で、家に帰ってGoogle Earthで確認したところ、やはりこの町は空港の中に存在してました。
ビルボードを見るとDrive Inに加え「Fly In」ともあるので、多分地元民が自家用セスナに乗ってカジノに繰り出す構図ができあがっているのでしょう。
民家の軒先掠めて飛行機が離着陸してるなんて、全く日本人には理解できない世界・・
それにしても最近はこのソフトを使えば、どんな土地をも知ることができるようになりました。
やってる事は殆ど偵察衛星のハッキング。全く便利な時代です。

闇の中、US-95を再び南下します。
ラフリンへはまだまだこの先を左、NV-163に向けて進路をとらねばなりません。
そのNV-163も輪をかけて暗黒の世界。甚だ不安です。
それにこの辺で再び、疲れがどっと押し寄せてきます。
シャーペンを膝にグサグサ刺し、己に鞭打ち、かつ闇と睡魔に戦いを挑みます。
そうこうしてるうちに、ようやく眼下に光の渦が見えました。
あれが今日の宿・・峠を越え、長い降下の果てに、ようやく目的地到着です。

すでに深夜2:00。ようやくここが目的地、カジノ街ラフリンに到着。
ここが日本だと深い所までボーリングして、温泉街にしてしまいそうな雰囲気の街です。
カジノや観光目的ならラスベガスに行けば十分だし、ここは幹線道路からも外れてるし、日本人にとって行く意味の殆どない街かも知れません。
だからこそ町見したかったんですが、もう観光なんてどうでもいい。一刻も早く横になりたい。
・・それが到着した際の、嘘偽りのない気持ちです。