Provo, Utah → Rock Springs → Rawlins, Wyoming

ロサンゼルス(Los Angeles)からシカゴ(Chicago)迄アメリカ大陸半横断、春分の奥の細道って、ハイウェイを流してるだけだけどなｗ
現在ユタ(Utah)州北部、プロボ・キャニオン(Provo Canyon)の褶曲構造に目を奪われ通過中。
ゴールはまだ先・・ この行程であれば常識人だったらルート66(Route 66)をトレースしますが、傾奇者(かぶきもの)な筆者は未知の場所へ、誘惑されるまま進路を取る事にしました。

ソルトレイクシティ(Salt Lake City)より東方、山一つ向こうに走るUS-189を北上。道中に現れた湖一面に張った氷を見て、ビビる私。
どう考えてもこんな時期にドライブなんぞ企画するべきじゃなかった( ; - -) しかしここまで来てしまったからにはもう後にひけません。覚悟を決めましょう。

US-189の途上、ヒーバー・シティ(Heber City)のガスステーションで給油を兼ね思案中。
実はここから南東に分岐するUS-40方面に進み、訪ねてみたい所があるんですがね・・
エイリアンの卒塔婆の如き奇岩が聳える、ファンタジー・キャニオン(Fantasy Canyon)なる秘境。しかし麓まで雪に覆われた眼前の山に恐れ慄(おのの)き、諦めるのであったorz

外で食べるアイスは少々寒くて辛く、町の公民館みたいな所に入り、休憩。
まあ、この辺に生まれ育つとみんな漏れなくバス釣りをやるよね。
平和に生きてて微笑ましい限り。日本とそう変わらないなあと思いきや・・

ディアハンター・・
うん、やっぱりこういう所が日本とは違うね(；・∀・)

さて、車に戻りましょうか・・ さらに北へとI-80へ合流。何十番なんてキリの良い番号がふられたインターステートは、もれなくアメリカ大陸の西から東へ横断してくれる大幹線。
ここまで来たらソルトレイクシティ西方に位置する、「アメリカのウユニ塩湖」とも呼ばれたりする、ボンネビル・ソルトフラッツ(Bonneville Salt Flats)を訪ねたくもありますが、流石に遠すぎるので諦めましょう。
合流後東に進路をとりましょう。'Cheyenne'何て読むの（；´Д｀）? シャイアン、この先に横たわるワイオミング(Wyoming)州の州都なんですね。
♪お〜れ〜はシャイア〜（中止）

長らくお世話になったユタ(Utah)州への名残りを惜しむかのように、州境近くに登場する奇岩群、エコー・キャニオン(Echo Canyon)。鋸の歯の隙間から清流が流れているっぽい。
車中に流れるのはオアシスの「Whatever」。以前話したとおり私は80年代洋楽世代ですけど、90年代もどっぷりと漬かりましたよｗ

新卒直後、直面する職務上の困難に立ちふさがった時代。今だったらあんな行動しないのにと、苦い思い出ばかりが蘇る時代・・会社を辞めようと思った時でしたかね、この曲を知ったのは。
なんだかイギリスの(当時)ぽっと出の不良兄貴共に、「お前はお前らしく生きてりゃいいんだ」と、当時少し元気づけられた気がしました。お陰で軽率に会社を辞めず、踏ん張れた(´･ω･｀)
・・すまんな自分語りでｗ

峡谷地帯が終わり、ワイオミング州へ突入。風景は一転し、広大な大地へ変貌しました。
ここは州最初の町エバンストン(Evanston)。風が北から南へ流れ込むのを遮る術がなくなって、路面を直撃しているようで、至る所で雪が吹き溜まりになっているのが実に恐ろしい(((（ ;ﾟДﾟ))) とにかく慎重運転しかありません。

ユタ州までのお気楽な気分とは打って変わり、ワイオミング州は全くもって不安な道中。
何故かと言うと、このI-80以外に近隣を並走する迂回路が無いからです。もしこの道が通行止めになってしまえば、それこそ丸一日潰されてしまいかねません。
第一の課題は「1日たりとも遅延なく目的地シカゴに到達する事。」余裕あるスケジュールなんか組めてません。遅れても寛大に飛行機は待ってくれません。祈る気分でとかく修行僧のように、吹きすさぶ大地の中央に敷かれた細い線の上を通過します。

不穏な気分に支配されている時は、どうにも不穏な事態に陥るらしく、ご丁寧に警告灯点灯。
何なんだ一体orz 俺何もしてないのに（何かやらかした者の言い訳） またパンクかよ（；´Д｀）
どうやらタイヤの空気圧が規定値よりも下がっているらしい・・ 何とかしないといかんわな・・

悲しい事に、この先ロック・スプリングス(Rock Springs)までマトモな町はありません。
さっき通り過ぎた集落にトラックストップがあったのに、こんな時に限ってスルーしてしまう・・
極端な僻地でもところどころランプが設けられてるのが不思議。リトルアメリカ(Little America)って、さっきからあんたの国土のバカでかさしか実感できてないんですけど(;´Д`)

こんな私にも一応知見があって、こうした時はタイヤショップやカー用品店を見つけようとせず、ウォルマートに行けば平日祝祭日関係なく、車のトラブルは何とかしてくれると把握してます。
詳しくは拙作S5のここでレビューしてますので、復習してくださいね(´･ω･｀)
という訳で、ここはロック・スプリングスのウォルマート。お願いです助けてくださいm(_ _)m

どの店舗も建屋奥の方に「タイヤ＆リューベ・エクスプレス(Walmart Tire & Lube Express)なる整備工場があると思います。そこでお願いすれば無問題。という訳で・・

おにーさんありがとうございます（ｱｳ

【再々々々掲】映画アウトレイジからセリフを引用、改変した発言には、「アウトレイジ的発言」と注釈を入れてましたが、あまりに多用しすぎるため、今後「(ｱｳ」 と省略させて頂きます。

問題解決、しかし今回も苦労が絶えないのは、一体どういう事なのか＿|￣|○・・
でも嬉しい事にさっきのお兄さん、「ハシタ仕事だよ。会計なんかイラナイ」と言ってくれました。だったらこっちもアウトレイジの関内会長のように、「これ、やるから、とっとけ。いずれ、倍にして返してくれよなウヘヘヘ」と男気チップ弾んでしまうじゃないですか。＄20札2枚渡しましたね。
「ありがとな」とお互い手を振って別れ、車を進めるうちに、そうか・・こいつにはこんな対応すると懐が潤うだろう(しかも会社を通さず)との計算の言動だったのかと気づいたんですよ(;・∀・)
・・なるほど考えてみれば、いい手口だｗ 俺も参考にせねばな・・

再び荒野のI-80。
当初予定ではロック・スプリングスでの宿泊を考えましたが、陽もまだ高く気分も高揚しており、かつ「できるだけ先に進んでおかねばヤバイ」の強迫観念に駆られ、さらに東に進行中。
行動しておいて何を今さらでしょうが、この時期この辺をドライブなんかするものではありません。ブリザードや雪解け水の氾濫で、いつこの道がクローズされてもおかしくない(；´Д｀) 得体のしれない怖さ、「アメリカ50州の特徴をそれぞれ一行で説明して・・残酷なほど正直なアメリカ人の回答いろいろ」という記事の中にある、ワイオミング州の記述が全てでしょう。

"Get The hell out while you still can" （逃げられる間に逃げて！）

僻地の最東端。ローリンズ(Rawlins)。ここまで逃げ切れば、あとは何とかなる(；´Д`A
計画時は「せっかくワイオミングに行くんだから、余裕があればイエローストーン国立公園(Yellowstone National Park)は無理でも、グランドティトン国立公園(Grand Teton National Park)の尾根くらいは遠目で見ておきたいな。」と思ってましたが、そんな余裕は1mmもありませんorz 寄り道なんかできません。不見識すぎてお恥ずかしい限り。
特にエバンストン → ロック・スプリングス → ローリンズ間は、本当に怖かった。逆にこの経験でワイオミング州が記憶に刻まれた気がしました・・

たまたま立ち寄ったローリンズ町外れのモーテルにて、暖かく迎えてくれたスーパームーン。
行き当たりばったりだろうがそんな経験こそが旅の醍醐味なんだと、後から思うのである。
でもこのクオリティ・イン、昨日泊まったところの方が清潔で良かったな・・ 少々文句を言いつつ、ピザハットに夕飯買いに(あと酒も)、再びエンジンを始動させるのが、本日最後のお仕事ですｗ