Route 66 (Barstow → Ludlow → Needles)

バーストゥのアウトレットで予定外の道草を食いつつ、
これではイカン。早く行かなきゃと、進路をI-15からI-40へ東進。
途中の町、ニューベリー・スプリングス(Newberry Springs)の一角にて。
ここは有名な映画「バグダッド・カフェ(Bagdad Cafe)」のロケ地であり、
実際にそのカフェがまだ「営業」してます。
探してみようとI-40のランプを降りてみましたが、逆に進んだのか見つかりません。
その代わり、こんな感じでいい具合に貨物列車が佇んでいるのを見てしまい、
それだけで満足してしまいました。
お茶しなくてもなんだかアンニュイ。でも物凄く暑い昼下がりの一時です。

アメリカでのガソリンの給油の方法について一言。
ガイドブックに書かれている方法は基本でしかなく、実際は都度応用が求められます。
それは例えば、最近多くのガスステーションではクレジットカードをスキャンしたあとに、
ZIPコードの入力を求められるケースがかなりあるということです。
（Chevron系列はほとんどこのシステムが導入されてるようです。
TEXACO、Shell、76系列は、店舗によってあったりなかったりといった感じでしょうか？）
で、日本人のクレカであれば、認証不可ではねられてガスが出てこないわけです。
いろんな系列のスタンドが林立してる地域では、ZIPコード入力のいらない他のスタンドを
見つかるまで探せばいいのですが、
これがスタンドが町に1件しかない所だったりすると、そうも言えなくなります。
この事態を打開するには、ちょっと面倒くさいのですが、
スタンド併設のコンビニ（だいたいコンビニになっています）の店員に一言、
'I'm not an American citizen.・・・'と言うと、だいたいわかったような顔付きになって、
何番の給油機だと聞かれ、場合によっては店員にカードを手渡し、給油できるようになります。
まあ面倒ですが、慣れればなんとかなります。

この辺で今回の僕の旅の相棒を紹介。型式はフォード・ト−ラスです。
最近のアメ車は、なんだかアメ車っぽくありませんね。
それはともかく、朝始動する時とか、一日のドライブを終える時は、
おはようだとか、じゃあおやすみだとか、
ドライブ中でも、過酷なロードばかり走らせてしまい本当にすみませんでしたとか、
恥ずかしい話ですが時折こいつに声をかけるようにしてました。
僕の命はこいつ次第でしたから。物にも魂があるはずですから。
実際何度か危ない目に遭いながらも、彼のお陰でなんとか生きて帰ることができました。
ま、半分冗談で言ってますが、半分は本気でそう考えてます。
写真はラドロウ(Ludlow)のガスステーションの一角にて。

本当はラドロウからルート66(Route 66)に進路を取るはずだったのですが、
道を間違えてしまい、しばしI-40を走るはめになってしまいました。
引き返したかったのですが、ようやく出会ったランプは30マイルも先。戻る気力も失せ、
仕方ないのでそこで降り、「ヨシュアツリー国立公園はこっち」と書かれた、
地図を見ても特に名も付けられていない、この道をルート66方面へ南下しました。
本当にこの道が望む方向へ連れて行ってくれるのか不安でしたが、
しかしこの道は意外に良かった。
開けた風景に、車窓左にはマーブル・マウンテン(Marble Mountains)が連なり、
茶、白、茶と、地層がホワイトクリームをサンドイッチ状に包んだような、
面白い色彩をなしています。
迷子も、時には役得です。

そのマーブル・マウンテン(Marble Mountains)をショット。
「ヨシュアツリー」「名もなき道」とくればこのナンバー。
U2の'Where The Streets Have No Name'が最高に似合う道でした。

ようやくルート66(Route 66)に合流できました。
その沿線、アンボイ(Amboy)の町の有名な'Roy's Cafe'。
遠くにBNSFの鉄路や駅も見えます。
ラドロウからニードルズ(Needles)の手前まで、ルート66は灼熱の砂漠の中を横断します。
過酷な道です。ですが舗装状態は良く、走りやすい道でもあります。
怖がってばかりいないで、臆せず進みましょう。
得るものは、実に多いですから。

上の写真を撮った後、135°ほど左旋廻してスナップ。
ルート66と、砂漠の遙か向こうに佇む貨物列車。
気温46℃、壮大な景色だと思う以前に、ただただ「熱い」所でした。
決して美しくはないけども、僕はこんな風景が大好きです。

Amboyからルート66を少し東に進み、脇のダート道を少し入った所で一枚。
地図を見ると、どうもこの先に米海兵隊の基地があるようです。
しかもなぜかドライレイク（枯れた湖）の中に貨物の引込み線まで引いてるようです。
どうにも不穏な土地だと思ってしまい、それを確かめるための寄り道です。
線路を横断するあたりブロックがあり、「行き止まり」と落書きされてたので、
これ以上進めずに、逆に安心して引き返すことにしました。

ラドロウ→ニードルズ間の砂漠のルート66から見える景色はだいたいこんな感じです。
灼熱の太陽と、コンクリートの照り返しを車中のクーラーで緩和しつつ、
こんな過酷な土地でも車の性能に頼って、今では3時間程で快適に通過できます。
一昔前なら、考えられないことだったのでしょう。

そんな過酷な砂漠の中にも、ところどころ人の住む集落が存在し、緑もあります。
さすがにこの土地でガススタンドを運営することは大変らしく、殆どが廃墟になっていましたが、
生きていく上で最低限必要な、人との通信に欠かせない郵便局は、細々と営業してたりします。

ずいぶんこれを撮りたかったのですが、現れた時はなかなか減速できず、
かと言って休憩してる時は近くになくて、意外と撮るのに苦労しました。
みんなここを走ることに憧れを抱いて、わざわざ遠くから来るのです。
とある'The Mother of The Road'の路上にて。