Petrified Forest National Park
ここは再びホルブルック(Holbrook)の町中。ロードサイドにユーモラスな恐竜達のお出迎え。
昨日までは古き良き昔を走りましたが、今日の道案内は彼らにお願いしましょう。
彼らの視線の向うに待ち構えるのはもっと昔、今から目指す2億年前の世界。
ここはUS-180の途上。朝日が目映い平原の中を、一路東へ移動中。
え〜、みなさま大変長らくお待たせしました。
ようやくここから奇岩と絶景満載の、グランドサークルドライブへと突入します。
最初に目指す公園の入り口は、もう少し先です。
ここが化石の森国立公園(Petrified Forest National Park)の入り口。
手前にゴロゴロ転がってる物は、この公園の名物「珪化木（けいかぼく）」。
今から2億2500万年前の三畳紀に洪水で木々が倒され、大量の泥がその上に覆いかぶさり、それに加えて近くの火山活動で地中に溶け出した珪素と化学反応し、石化されてしまった後に大地が侵食され、大量に地表に現れた物・・・だそうです。
ここはこうした「樹木の化石群」が大量に地表に現れている、世にも珍しい公園です。
入園してまず最初のポイント、ジャイアントログトレイル(Giant Logs Trail)を訪ねてみましょう。
こんな感じでなんとも無造作かつ無防備に、その珪化木が大量に転がっています。
決してオブジェっぽく展示してるわけでなく、本当に元からこの状態。
押してもびくともしないものが殆どですが、小さい物は手にとろうと思えば簡単に手にとれます。
ここを訪れる者の良心のみに委ねるわけで、ちょっと大丈夫かなと心配してしまいます。
実はこうした珪化木、僕にとって実に懐かしく、慣れ親しんだ風景だったりします。
僕は高校時代、こうした珪化木を横目に毎日通学してましたから。
「夜宮（よみや）の大珪化木」。北九州市戸畑区内の一角で発掘された一本の巨木の化石が、通学路脇に厳重な柵で囲まれて、誰にも見える形で展示されていました。
と言ってもこんなに綺麗な色してないし、ゴロゴロ大量に転がってるわけでもないんですけどね。
だからここに来るのは初めてでも、僕的にはなんとなく懐かしさを覚える公園です。
慣れ親しんでる・・そうは思いつつも、いまいち釈然としません。
本当にそれが理由かな？少し疑問がわきます。
こんな風に丸太や巨木がゴロゴロしてる景色を、どこかで見た様な気がするんですよね・・
なんだろう・・遺跡に佇むMASTERキートンになったつもりで推理し、あれこれ考えてみます。
あ、だからと言って珪化木の破片をポケットにしまいこんじゃ絶対駄目ですからね。
退出時に公園ゲートでチェックされますし、それ以前に道義的にもやっちゃダメです。
胸にひっかかる物はとりあえず置いといて、先を進みます。
この公園の見所の殆どは南北に貫くこの道沿いに集中しており、珪化木以外にはこんな感じでカラフルな地層帯も多く、それらもこの公園の重要なファクターになってます。
行く先々で、どちらも唐突かつシュールに眼前に現れて来るのが、この公園の特徴ですかね。
「化石の森」と言うより、「珪化木とカラフルな地層の森」とした方が、実態に近い気がします。
こうした地層帯は公園の北から南まで、何処でも眺めることができますが、主役である珪化木は公園の南側に集中して存在し、意外と何処でも見られるわけではありません。
そうした木々の化石が集中する数少ないポイント、クリスタル・フォレスト(Crystal
Forest)で1枚。
やっぱり、これってどこかで見た風景・・それにしてもこの既視感は一体何だ？
まあいいや、気のせいだろ。もっと先へ進みましょう。
支線に分岐後ここまで来るとようやく公園の半分。この辺から主役は珪化木と言うより、こんな感じで不思議な色彩の丘陵地帯が中心になります。
これはブルーメサ(Blue Mesa)。薄青紫色の色彩が実に浮世離れな岩々です。
再び本線に合流。これより黄、白、灰、赤茶色に彩られた、色彩豊かな大地が広がります。
以前グランドキャニオン(Grand Canyon)からモニュメントバレー(Monument Valley)へ移動の際、突如現れたペインテッド・デザート(Painted
Desert)は、ここまで延々続いているわけです。
再びグランドサークルを訪ねようと一念発起したのは、実はまたこれを見たかったから。
思い入れのある風景に再会できて、僕は本当に幸せ者。
その先にあるのはアポロチョコみたいな、見事な地層の織り成すフォーメーション。
ここはインディアンの移動式テント小屋を意味する「ティピー」(The Tepees)と呼ばれるポイント。
しかしまあ、少し移動する毎幻想的な風景が飛び込んでくるのは、サービス精神旺盛というか、用意周到な公園だと思います。
さらに先へ進むとこんなのもあります。ニュースペーパーロック(Newspaper Rock)。
巨大な岩肌に描かれたアメリカ先住民のアート、もしくは落書きと言われてます。
ふっ、なんだかナウシカのタペストリーに描かれた巨神兵みたいだなｗ
・・そう思った瞬間、胸にひっかかっていたものが何だったのか、ようやくわかりました・・
わかったよ。今やっとわかった。
「腐海の底」じゃねーか、ここ・・・
まったくアメリカに来てまでナウシカかよ。あれはユーラシア大陸の辺境の地の物語だろ。
我ながらどうかしてるぜｗ
でも大地が長年に渡り侵食され（浄化され？）、石化された巨木が大量に表れた異質な光景。
・・こういう所がもう、あのアニメの世界観に近いとしか思えないんですよ。
二人が流砂に飲み込まれ、辿りついた所がもしこういう所だったら、さぞかし素敵だろうな・・
でも今ここに佇むのは、アスベル君ただ一人だけ。
※この写真はジャイアントログトレイル、上の写真はクリスタル・フォレストにて撮影。
以上、アホかと言われようが、でも今までナウシカを10回観た俺が言うんだから間違いないｗ
半分シャレで流して欲しいというのはありますがね。
でも僕がここを見て、そう感じたのも恥ずかしながら事実です・・
さらに先に移動したここは、公園北端のペインテッド・デザート(Painted Desert)。
ここまで来れば、ようやくこの公園も終盤です。
真紅に彩られた大地が、遥か彼方、地平線の先まで続きます。
腐海ってこんな所かもなあ・・高台の縁にしばし佇み、また勝手な想像を楽しみます。
まったくここって、僕みたいなアニメ好きには特にお勧めしたい公園ですね。
さあ、一通り満足したところでガンシップに乗り込み、次に行きましょう。
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