Monument Valley (Part 1)

ジブリがいっぱいなキャニオン・デ・シェイ国定公園(Canyon de Chelly National Monument)に別れを告げて、再び向うはモニュメントバレー(Monument Valley)。
前回の短時間の滞在の反省から、今回はその様相をじっくりと間近で見たくて、再訪します。
チンリー(Chinle)から北上すると広い範囲に農家が点在し、のどかな雰囲気のUS-191。
集落の名前でもチェックするかと地図を見ると、メニーファームズ(Many Farms)とある＿|￣|○・・
なんて直球な名前ｗ もっと考えてから命名しなさいｗ

メニーなファームズばかりで牧歌的に行くかと思ったら、この界隈もなかなかあなどれません。
この先、右前方に見えるラウンドロック(Round Rock)近くまでUS-191は接近しますが、この岩の麓より想定外の「惑星ドライブ」とでも言いたくなるような、驚きの風景に変貌します。

その問題のラウンドロックに接近。
突如周りの草木が消滅、赤茶けた大地が露呈し、荒涼とした大地へと急変します。
まるで「結界」を突き破った感。同じ地球上の風景とは、とても思えません。

写真中央のラウンドロック周囲にも、ビュート(Butte)と呼ばれる残丘が点在しています。
ここでモニュメントバレーに到着した感すらしますが、まだここから2時間ほど先。
意外性のある展開。ボーナスステージと言うか、「裏モニュメントバレー」的存在感ですかね・・
それにしてもまだ世に知られてない絶景をここで紹介できるのは、本当に嬉しい限りです。

前頁とはうって変わって乾いた景色が連続するUS-191。こんな奇岩にも事欠きません。
そんな中たまに、インディアンが住んでると思われる小規模の集落を見かけることもあります。
人間のたくましさを見る思い。軟弱な自分には、ここを通過するだけで精一杯。

ここはメキシカン・ウォーター(Mexican Water)の集落近くのUS-191→US-160への三叉路。
左へ進めばケイヤンタ(Kayenta)の町へ、右へ進めばコロラド、ユタ、アリゾナ、ニューメキシコの4州が交差するフォーコーナー(Four Corners)へたどり着きます。
モニュメントバレーに行くのであれば、ここを左折してケイヤンタ経由でも無問題。
僕は前回と逆方向からのアプローチをとるため、あえてここを右折してUS-160を少し走り、すぐ出会う三叉路を左折、US-191を再び北上します。

さらにUS-191を北上。ここでユタ州(Utah)に突入後も、ひたすら荒涼とした景色の連続。
それにしても、ここまで来ればFM波は殆どキャッチできず、頼れるものはもうiPodのみ。
ここでサンタナを聴きたくなるのは、哀愁漂うギターが似合う風景なのと、メキシカンなんとかという地名と傍を流れる川の名前のせいで、なぜかラテンの臭い漂う一帯だからでしょう。
そのサンファン川(San Juan River)を横断するポイントにて、1枚。

川を渡った後はUS-191からUS-163に移り、西に進みます。
相変わらず岩ばっか。凄い景色も連続しすぎると食傷気味になるのは否めないわけですが、Google Earthでこの辺を見ると、もう物凄い様相で、興味深くて仕方ありません。
サンファン川の大蛇行や、巨大な地層帯が南北に縦断してるのとかが、よくわかりますから。
賽の河原を走ってるような、モニュメントバレー手前の風景。生命の匂いが希薄です。

US-163の途中、ご本尊に到着する前にもう一つ、押さえておきたいポイントがあります。
ネタ元は再び「カーズ」。ラジエーター・スプリングスの町中の面白い形をした岩山のモデルが、この写真の中央付近に存在します。

ダート道にそれて少し進むと見えるのが、このメキシカン・ハット(Mexican Hat)。
ソンブレロの形をした岩が奇跡的に残ってるのは、不思議な力が働いたとしか思えません。
ここには同名の町も近くにありますが、それにしても妙に淋しくて、殺伐とした所にある岩です。
前回の旅では、ここまで来て終点にしようと考えてました。
でももしそうしてたならば、あまりの寂れっぷりに少し後悔したかも知れません。

メキシカン・ハットを後に、進路は再び西方へ。
長い旅路の果て、ようやく逆光の向こうに見えてきたあれが、モニュメントバレーの遠景。
初めてここに来た時に感動で涙が零れたのが、まるで昨日の事のようです。
でももう2回目、残念ながらそんな事はもう、ありません。

さらに聖地の元へ。やあ、また「一人で」来たよｗ
リピーターだからもう慣れてるよと嘯いても、やはり懐かしさでいっぱい。
またここに来れた僕は、本当に幸せ者。
なんだかんだ言いつつも、少し目頭が熱くなってきました。

ここはビジターセンター(Visitor Center)の展望台。
三兄弟というか、三連星というか、左から'Left Mitten'、'Right Mitten'、'Merrick Butte'。
定番ポイントからの定番ショット。とは言えここを代表する最高のポイントに違いはありません。
前回ここに寄らず、遠目で見ただけで満足したとは言え、実にもったいない事をしたもんですｗ
でもだから今回絶対来なければと思ったわけで、その不手際に感謝すべきでしょう。

少し間を置き同じポイントから、日没間近のショット。
夕陽に映えるビュートは、一体幾星霜、この景色を見守ったのでしょうか。

赤く染まった美しいビュートを、もっと間近で撮りたいと考えます。
明日下る予定だったバレードライブ(Valley Drive)のダートを少しだけ、自分の車で下ります。
普通はツアーのバンに相乗りして進むのが定石ですが、この時間ではもう運行してません。
ここ何日もこの辺には雨が降っておらず、路面は十分堅くて良好だと判断し、出発しました。

'Left Mitten'を手前に、その後ろには見事な塔状の'Big Indian'と、Castle Butte'が控えます。
バレードライブ開始直後は急激な下り坂の連続なので、かなりの注意が必要。
ビュートとの相対的な位置で判断すると、ここまででもかなり下ったことがわかります。
日が翳るギリギリまで粘ります。でももうこの辺で撤退すべき頃合ですかね・・
今日はもう十分満足。明日早朝、再び訪れましょう。

すっかり日も暮れてしまいました。そろそろ今日の宿泊地、ケイヤンタへ移動します。
前の車は時速40マイルのノロノロ走行。でも追い抜かす気になりません。
それに後ろの車も僕をせかして、追い抜こうともしてません。
それは多分ここにいるみな、きっと同じ風景と、同じ月を見ているから。
夕暮れに溶けゆく'Mitchell Butte'、月を後ろに1枚。