Barstow, California → Las Vegas, Nevada

ハイウェイ15号線(I-15)をロサンゼルス(Los Angeles)からラスベガス(Las Vegas)へ北東方面、一帯に横たわるモハーベ砂漠(Mojave Desert)。数時間は寄り添う、荒野の旅路。
米国レンタカーの旅に魅せられし、いや、依存し沼に嵌り抜け出せぬ者達が思い描く原風景。
・・いやらしい書き方ですまんなｗ でも気持ちが良くなるよ。引き続きどうぞ。

バーストゥ(Barstow)から1時間弱。何度見ても何コレ感の'Zzyzx Road'へのランプを通過。
また会えて良かったね。しかしこんなに長い付き合いになるとはな（意味不明
随分昔に書いたとおりに、ZZ TOPみたいでカッコイイ響きだなと思ってしまって、それが縁となりこの名をお借りし、こんなサイトを十数年もグダグダと続けてる今日この頃である。
とは言え何処に位置するか押さえておかないと通り過ぎてしまうもの。Exit239、I-15の起点から239マイル先、ボード右上の数字がだんだん大きくなっていきますから、チェックしてくださいね。

チェックして頂きたいのは変な名前の理由だけでなくて、右手に見える光景も捨てがたいから。ソーダレイク(Soda Lake)なる、水が干上がり塩だけ残ったドライレイク。
それと前の頁でZZ TOPの名を上げたら同意して頂ける方がいてくれて、実に嬉しいものです。
80年代洋楽世代ですからね。ドン・ヘンリー(Don Henley)のThe Boys of Summerを聴かねればLAに旅立とうとは思わなかったでしょうし、それに加えてZZ TOPのLegsを聴かねば、その先に広がる荒野へ足を延ばそうとは思わなかったでしょう(　･ω･)・・

小さな集落ベーカー(Baker)を通過しました。まだまだ似たような光景が続きます。
それとまた、2018年に他界してしまった漫画原作者、狩撫麻礼の代表作「迷走王ボーダー」も、当時大学生の自分にとっては、闇夜の小舟の舳先に灯る、灯台のような存在でした。

「砂漠が・・ 砂漠が、見たかった。」

無頼な主人公蜂須賀のセリフの一つを思い出しつつ、航海を続けます。
そんな作品に感化されてしまうと、人はいとも容易く道を踏み外してしまう・・ 自分のみならず、思い当たりのある方は、少なからずいるはず。

まあ今じゃ俺もすっかりサラリーマンしてて、うだつの上がらぬ「あちら側」の住人だけどな(ﾟ�听) 等と訳のわからぬ事を呟きつつ視界に現れるのは、カリフォルニア(California)とネバダ(Nevada)州境手前に横たわる、巨大なイヴァンパ・ドライレイク(Ivanpah Dry Lake)。
ここを横断する最中、誰もが米国西部の広大さを実感させられる事になるでしょう。
いやそれよりも左に見えてきた物体は一体何だ（ ;´Д｀)？　何でも今はドライレイクに負けぬ、露骨な存在感の建造物が設置されているようです。

'Ivanpah Solar Power Facilitiy'。目下世界最大の太陽光発電所。メガソーラーとも呼ばれます。
鏡を地面に無数に設置し、コンピューター制御で反射角を調整し、3基も聳えるタワー最上部のボイラー室に向けて、太陽光を集光させる構造。集光機上空は摂氏540℃にもなるそうです。
稼働は2014年。周りが砂漠やドライレイクと言った、生態系に影響を与えない環境だからこそ、試みる事ができた力技。
それでも飛ぶ鳥を「焼き」落とす勢いで、上空の鳥がそれなりに犠牲になりました(´・ω・｀)

僻地も甚だしいのに、それでもしばらく来ないといろいろ新しいものができてんだなｗ
ロサンゼルスからここまで225マイル(約370km)。想像外の光景に翻弄されてしまってますが、そろそろ我に返り給油しましょう。これもレンタカー旅の醍醐味の一つ。
ベガスの手前、地平線上にオアシスが見えてきました。お馴染み州境プリム(Primm)の街。
だがここで、また一つアクシデントに遭遇するのであった(-_- )

給油口オープンのボタンをいくら押しても給油口が開かないって、全くどーゆー事よ（ ;´Д｀)
試行錯誤で10分ほど、ぶ厚い紙のマニュアルとコンパネ内のボタンをいじり、メカニックのようにいろいろ確認してみるが埒が明かない。外から手動で開くオチなんかでは勿論ありません。
毎回毎回試されるのは何なんだろうか・・ 頼むから平穏にドライブさせてくれ＿|￣|○

チェンジ

もし今うまいこと開いてくれたとしても、この先同じ挙動をしてくれるとは限りません。
幸いにもラスベガスはもうすぐそこ。Hertzの営業所に寄る事にしました。

さよなら日産エクストレイル。実に短い付き合いだったね( ´_ゝ`)/~~
新しい相棒とともに、何とか日暮れ前に本日の目的地ラスベガス到着。
左手建設中はアレジアント・スタジアム(Allegiant Stadium)。いつ来ても何か新しい物で溢れ、眠らない街と言うよりも、相変わらずせわしない街だなまったく。

今夜の宿はPARK MGM。少し前までモンテカルロ(Monte Carlo)の名で知られたホテル。
リニューアルに伴い、外壁の色合いが変わりましたな。落ち着いた雰囲気で悪くありません。
さて、チェックインを済ませてルームキーを頂きましょうか・・

漂う高級感。田舎町ならともかく、ラスベガスではやはりこうでなくてはいけません。
なおシーツが皺クチャに見えるのは何もベッドメイキングが悪い訳でなく、ブレイキング・バッドでヒューエルが床の上に無数に積まれた札束の上に寝転がりたくなったのと似た気分になって、高い角度から思わずダイブしてしまったからである。

窓の外に見えるは、左からニューヨーク・ニューヨーク(New York New York)、エクスカリバー(Excalibur)、そして最近オープンした、T-モバイル・アリーナ(T-Mobile Arena)。
たまたまライブやイベントがなかったようで、今日のホテル代は1泊なんと7,700円。天国だろｗ
だがしかし、悪名高きリゾートフィーが37ドル。リゾートフィーに係る税金が約5ドル。そして今は宿泊客であってもホテル駐車場代金が発生し、これが15ドル。
計57ドル。約6,200円。宿泊料に似た金額の、どこの馬の骨ともわからぬ所在不明な料金が、虎の子の銀行口座から後日しれっと引き落とされてしまいました・・
金ばっかりせびりやがって・・アメリカと盃なんか、交わすんじゃなかった！（ｱｳ

【再々掲】今まで映画アウトレイジからセリフを引用、改変した発言には、「アウトレイジ的発言」と注釈を入れてましたが、あまりに多用しすぎるため、今後「(ｱｳ」 と省略させて頂きます。

・・等とやさぐれず、折角来た事ですし、部屋に長居は勿体ない。街を散策しましょう。
2012年のシーズン3以来、7年ぶり。シーズン5では掠めただけであんなの訪問と言えませんｗ 甲子園で例えると中途半端な実力校。ラスベガスはせめて八戸学院光星や大阪桐蔭レベルに毎回選抜、いや毎年訪問するくらいでないと、偉そうな御託は並べられないのである。
と言いつつも、歩道橋からストリップ(Strip)を北に眺める風景はあまり変わりませんな(´･ω･｀) 左にベラージオ(Bellagio)、右にパリス(Paris)とプラネット・ハリウッド(Planet Hollywood)。

上の写真左側手前に高く聳えるコスモポリタン(The Cosmopolitan)。収まり切れずに別写真。武蔵小杉のタワマンに憧れた層がターゲットなんだろうなと邪推してしまうのである。
壁面が一面電飾されたわけではありません。手前アリア(Aria)の広告塔を重ねて撮影しました。限られた誌面でいろんなホテルを紹介しなきゃいけないのでな(ﾟ�听) 荒業で申し訳ないです。

今回ただ徘徊するだけでなく、目的を持って行動中。ナイトショーを観たいと思いましてね・・
シルク・ドゥ・ソレイユの演目はいくつもこの街に存在しますが、マイケル・ジャクソン・ワン(Michael Jackson ONE)を選択してみましょうか。80年代洋楽世代ですし。
劇場はマンダレイ・ベイ(Mandalay Bay)。かなり南に移動せねばなりません。遠くて辛い（ ;´Д｀） ルクソール(Luxor)の正面に鎮座ますスフィンクスの背の向こうに、やっと見えてきました。

観劇中の写真は当然ご法度。彼の様々なパフォーマンスと曲をシルク流にアレンジしたショー。勿論楽しめない訳がない。つか、「ヅカ」の世界観に近いものがあるよな(ﾟ�听)
マイケルの残り香漂うシアターを後に、彼が逝去したニュースを聞いた時の事を思い出します。久しぶりにステージに復帰するのに、何でこんな時にと驚きはしたものの、正直悲しいだとか、そんな感傷は全く沸きませんでした。申し訳ないけど「雲の上のエイリアン」な存在でしたから。でもその晩母親からかかってきた電話で、ちょっとだけ心境が変化しました。

「あんた、マイケル死んだねえ・・ 覚えちょる？ あんた昔近所で火事があった時、煙をバックに広場で下手くそなスリラー踊ったよね。笑っちゃいけんやったけどホント笑ったわ（爆笑」
イヤ、ﾊﾊﾊ・・(乾いた笑い) そんな事もあったかな（汗 いやしかし恥かしすぎる過去だな(ﾟдﾟ|||)
でも電話の後、手の届かぬ偶像が急に身近な人間の様にも思え、少し悲しくなりました・・
つまらない話でスマンなｗ まあ、ムーンウォークは、「革命」ちゅう事ですわ(´･ω･｀)

マンダレイ・ベイから都度コンビニに寄りアルコールを補給し、ホテルに戻る私。酔いどれてるがベガスだし大目に見てくれるやろ(謎思考
妹さんはまだ頑張ってんだな、兄弟仲良かったらしいよなあ・・ 「Scream」で共演したPVなんてアメリカのComplexのビー・マイ・ベイビーみたいなもんだからな（違うかｗ
実はこの旅の終着シカゴ(Chicago)到着後、隣のインディアナ州ゲイリー(Gary, Indiana)にある、マイケル・ジャクソンの生家を訪ねたのですが、被写体にするには微妙な民家でしかなく、しかも治安はどう見ても最悪。そそくさと後にし、記事にするには足りず、NGにしてしまうのであった。

こうして後日旅行記に纏めつつも想定外なのは、この旅の1年後、新型コロナウイルスの脅威が全世界を覆い、このラスベガスですら、街中から人が消えてしまう事態になってしまった事。
エンタメの巨星シルクですら、従業員の95%を解雇だなんて、一体どうなってんだよ・・
世界はこのままフリーズするのかなと、悲観的思いの拭えぬ日々。今まで普通にやれたような米国ドライブを楽しめる日が再び戻ってくるか定かでないとは・・ 仕事もテレワーク中心の日々、こんな事を考えるなんて、この街を脳天気にブラついてる時には全く思ってもみませんでした。

再び帰ってこないかも知れぬ風景を追い求め、街角のライブカムをYoutubeを通じ眺める日々。映し出されるのはカジノで遊ぶ人間も宿泊客もいないのに、それでも煌々と灯るネオンサイン。この灯を絶やそうとしないのが、ラスベガスの矜持というものでしょう・・
でもね・・ こんな時世、ほんの一時だけだから。そのうち蘇る。
COVID-19で変わってしまった世界の事は、最終日であらためて総括しようと思います(´･ω･｀) 数か月後のその時、誰もが当たり前に享受した生活を取り戻せていますように。