Las Vegas (Part 1)

ここは不夜城ラスベガス(Las Vegas)。でもギャンブルを尻目にこれから目指すはさらに街外れのフーバーダム(Hoover Dam)。
日本の教科書にも載る程の有名なダムである事は間違いないのですが、寄り道ならともかく、わざわざそれを見に行く事もないだろ・・行こうかどうしようか、心に迷いが生じます。
まあでも自分はここにドライブしに来たわけだしね・・なんだか行き先を持て余したドライバーが、「暇つぶしにダムでも見に行くか」なスケールの小さな展開ですが、あえて寄る事にしました。
つーか、あれこれ言っても夜中のドライブって、なんか素敵やん・・
辺りは既に真っ暗。まずは高速道路I-515（US-93/95共用）に乗り、しばし道なりに走ります。

都市高速I-515は郊外へ伸びるにつれ、いつのまにか下道となり、バイパスの様相を呈します。
途中で右手に別れるのは、サーチライト(Searchlight)方面へ南下するUS-95。
この道はいつか来た道〜♪。そう、初日の深夜にこの街でレンタカー交換後、ラフリン(Laughlin)を目指した時に通った道でもあります。
ああ・・あの日に帰りたい・・US-93を道なりに走るとラスベガスの衛星都市、ボールダーシティ(Boulder City)に到着します。

この町はネバダ州でも珍しく、カジノご法度。いわば「文教地区」的な存在。
周りに流されずポリシーを貫く姿は立派です。もっとも私にはあまり縁がありませんが。
で、道なりに進むとショッピングモール内に出くわし、道を間違えたかと一瞬狼狽します。
正解(US-93方面)は町の手前の交差点を左折ですが、でもこのまま直進しても無問題。

再びUS-93に合流します。次第にワインディングの続く山道へと変化してきました。
出発地サンセット・ステーション(Sunset Station)から約30分、テロ防止の検問所を通過すると、間もなく目的地のフーバーダムに到着です。
到着間際、眩いライトに煌々と照らされる箇所に遭遇し、目をやられそうになります。
工事現場にも見えますが、テロリスト照合でドライバーのチェックをしてるかもしれません。
なんだか気分は「警察24時」で、柳沢慎吾警部補に追われる脱走犯。

いよいよダムの頂上部。左側は取水塔。制限速度15マイルほどで徐行しつつ進みます。
日中はダム観光の渋滞ポイントですが、さすがに平日の夜中はそうでもありません。
ベガス近辺には多数の観光地が控えてるわけで、なにもわざわざダムなんか見にいかんでも・・と思う自分もそんな一人だったりするので困ったもんですｗ
それはそうとこのダムの向こうは、懐かしのアリゾナ州。
気がつけば旅も終盤。ここを駆け抜けたほんの数日前に、戻りたくて仕方ありません。

対岸の駐車場より、真夜中のフーバーダムを一望。
アーチの右側にミード湖(Lake Mead)、左側には河口方面のコロラド川(Colorado River)。
着工は1931年。当時砂漠しかない土地の上に、水と電気と雇用を創出したベガスの立役者。
学生の頃に、このダムはニューディール政策の一環で建設されたと習った記憶がありますが、その政策が実行されたのは1933年のことでした。
それが間違いであったにせよ、ここはアメリカの建国史を語る上で避けて通れぬランドマーク。
それはともかくこの時間だと、足がすくむような光景が見れないだけに、安心するやら残念やら、複雑な気分ではあります。

さて一通り見物して満足したら再びラスベガス市内へ、来た道を戻ります。
そのUS-93上からしばし、ベガスの夜景を一望することができました。
思えばこの街に遠くから接近するたび、「光の川」の美しさに何度も感嘆の声をあげました。
でもここからの光景は、それらをはるかに凌駕すると思っています。

再び都市高速I-515の上、ここは眠らぬ街。僕も光の川の一筋へ・・
FMから流れるのはChristina Aguileraの'Ain't No Other Man'や、Brown Boyの'Superman'。
最新のチャートを吟味しながら、知らない大都会の片隅を、夜の闇に紛れつつクルーズ・・
大自然の中を駆けるのとどちらが良いかと聞かれても、そんな事よくわかりません。

という訳で今日もドライブ三昧。毎度の事ながら疲れました。もうホテルへ向いましょう。
I-515を降りて、一路フラミンゴ・ロード(Flamingo Rd.)を西へ向います。
大通り沿線ですが、治安が良さそうとはお世辞にも言えず、散策なんて無理っぽい雰囲気。
こういう時に、車に守られてる安心感というものをひしひしと感じます。

今日の宿は、ベガスの繁華街ストリップ(Strip)の真っ只中に居を構えるバリーズ(Bally's)。
目指すは目前の青白いネオンの建物。進行方向反対側にあるホテル駐車場への進入に迷い、この直後この界隈をグルグル3周してしまい、おのぼりさんのお約束的展開に突入します。
そんな不必要な街乗りも加えて、チェックインは予定を大分過ぎてしまった22時。
後悔はするが反省なんかしないｗ 疲れた体に鞭打って、今からカジノに繰り出します・・