Death Valley National Park (Part 1)

ラスベガスの喧騒から脱出。US-95を一路西へ。
デスバレー(Death Valley)に辿り着くまでは、片道2時間ほど単調で退屈な道が続くと
書かれてるサイトが多いのですが、そんなことは全くありません。
市内から5分も走ればもうこんな感じで砂漠の真っ只中。
砂上の楼閣ラスベガスとのギャップが激しすぎます。
奇妙な形をしたヨシュアツリーが、所々根をはっているのが印象的な道です。

出発から1.5時間ほど経ち、ここはアマゴサ・バレー(Amargosa Valley)付近。
道路の先端だけが妙に霞んでいて、前を走ってる車が少し浮いているようにも見えます。
なんだか不自然な光景です。これが蜃気楼なんでしょうか？
車中はエアコンが利いて快適ですが、確かに窓を開けると熱風を感じます。
このあたり、車窓右手の荒涼とした山々の向こうは「ネバダ・テスト・サイト(Nevada Test Site)」、
関東平野の約2倍の広大な区域が米軍の管理下、その筋には有名な「地下核実験場」。
この近く、UFOで有名な「エリア51(Area 51)」も存在する、いわくつきの土地をも通過します。
こういう知識を知ってるからか、道中ミステリアスな雰囲気で、
見える景色は開放感と言うより、むしろ不穏な閉塞感を漂わせています。
ここまで来れば対向車もほとんどなく、たまに後ろに車が接近すれば、
自分はMJ12から追われているんじゃないかと、気分はまるで矢追純一。

ちなみに左手の山々の名前は'Funeral Mountains'、つまり「葬式山」。
どうにも殺伐とした感じ。「死の谷」への序曲としては申し分のない、
いかにもな風景が展開されます。

デスバレーへの分岐点、ビーティー(Beatty)の町にて給油。
ここでガスを補給しないと、この先デスバレー内のファーニス・クリーク(Furnace Creek)内か、
CA-178途中のショショーン(Shoshone)までスタンドのある場所がありません。
タンクにまだ余裕はありますが、念には念を入れることにします。
そう言えば荒木飛呂彦の「魔少年ビーティー」という、
ミステリアスな漫画があったのを思い出しました。
その漫画の設定になったとしてもおかしくない、不思議さを漂わせている町な気もします。

ビーティー(Beatty)でUS-95と別れ、NV-374に進路をとります。
実はアマゴサ・バレー(Amargosa Valley)からデスバレーに入るルートもありますが、
この先の「ゴースト・タウン」を訪れるために、少し遠回りをしました。

NV-374を2マイル程進んで脇道を入ると、そこが「幽霊の町」。廃墟マニアには堪らない
リヨライト・ゴースト・タウン(Rhyolite Ghost Town)に到着します。
こうした風景を眺めると、どうしても筑豊の廃坑を連想してしまいます。

決して「芸術的に」廃墟にさせた訳ではないんでしょうが・・・

1908年には8,000人も居住し、ネバダ州第3の人口を誇っていたそうです。
鉱山が閉鎖されたから、人が去ってしまったのでしょうか・・
デスバレーへの道の途中、出会う場所は何処でも、「訳あり」に見えてしまいます。