Capitol Reef National Park

再びUT-24の上、開けた景色と流れる雲の下、一路南西方面へ進みます。
遠方になだらかな丘陵地帯が続く地味な風景ですが、さっき訪ねたゴブリンバレー州立公園(Goblin Valley State Park)の綺麗なおねーさんに元気を貰ったお陰で、いい旅・夢気分。
過酷な労働環境で美人さんが健気に働いてる姿は、それなんてエロゲ？俺も見習わなきゃ。
自分にはできない。ぜったいグレてる。

それに加えさっきから流してるブルーハーツが実にこの景色に溶け込み、気分を盛り上げます。
今時ブルハかよとか言われようが、直撃世代なのだから仕方ない。
このサイトとは関係ない事ですが、中高生の自殺のニュースがまた世間を賑わせてますよね。
まあ何と言うか、死ぬ前にブルーハーツ聴いてもう一度考え直してくれと、そう思います・・
終わらない歌と直線が続く、UT-24の路上より。

ハンクスビル(Hanksville)の三叉路にて。
ここで右折した先にあるキャピトルリーフ国立公園(Capitol Reef National Park)へ進みますが、左方UT-95方面（写真の方）を進むと、「人生とは旅であり、旅とは人生である」の言葉を残した中田英寿がキヤノンのCM撮影をしたレイクパウエル(Lake Powell)上流に辿り着きます。

ハンクスビルから先、UT-24を西に進みます。
しばらくすると右方の荒野の彼方に見えてくるのは、ファクトリービュート(Factory Butte)。
この形工場と言うよりも、モンサンミッシェルに見えてしまいます。

地形は次第に険しくなり、UT-24は山岳道路の様相を呈してきました。
加えてひと雨きそうな按配。雲行きも怪しく、なんだか禍々（まがまが）しい雰囲気です。
前方に見えるむき出しの地層帯一帯が、これから目指すキャピトルリーフ国立公園。
この辺の標高は1,400m、ここからさらに登りに入ります。

大地層帯の真っ只中、イニD気分で高速ワインディングを楽しみます。
親父さんがいたら「1万1千（回転）まできっちり回せ」とか言われる局面でしょうｗ
案の定この辺から雨が断続的に降ってきました。
今まであまりにも天気が良すぎたし、まあたまにはこんな局面も悪くないかと思いますが、雲の具合一つで写真映りが大分左右されてしまうので、それだけが気がかりです。

公園内に突入後は、聳え立つ岩山群を縫うようなドライブが続きます。
一応この東西に延びるUT-24沿線が、ガイドブックに載せられたこの公園の顔になってますが、実はこの公園、困ったことに普通車では到底到達できない所に「秘境」を有してます。
「漢」が目指すのは公園北側のCathedral ValleyやTemple of the Sun & Moonの奇景、もしくはもっと南側に存在するストライクバレー展望台(Strike Valley Overlook)からの風景。
もっともそれらに到る迄は四駆でもかなり厳しい悪路の連続ですし、悪天候時やオフロード経験がない場合は、興味があってもやめたほうが無難でしょう。

軟派な僕が目指すのは、前方の肉マンみたいな形をした岩、キャピトルドーム(Capitol Dome)。
急斜面の山肌の連続は、一見中国の桂林みたいな景観ですかね。行った事ないですけど。

このキャピトルドームの麓で車を降りて、少しトレイルを歩いてみましょう。
まだ時折雨がパラついてますが、これくらいならいざとなったら引き返せば多分大丈夫。
こうして見るとここ、以前訪ねたザイオン国立公園(Zion National Park)に似てる気がします。
ただこちらは僻地すぎるせいか、あちらと比べるとどうにも閑散としすぎてます。
独りで歩くにはちょっと寂しい所・・やはり僕は人が多くて賑やかな所が好きです。

とは言えここは通過するだけでも、絶景が続く面白い場所である事に間違いはありません。
それにUT-24には入園ゲートがなく、通過するだけなら入園料不要。太っ腹です。
少し歩いてキャピトルドームを目の前に1枚。それにしても大地に沁みこんだ雨のせいか、ヘビやトカゲが妙に目の前を横切ります。ご多聞に漏れず、僕も弱いｗ
この先まだトレイルは続きますが、今日はこのぐらいにしといてやるｗ もう撤退します＿|￣|○

さらに西へ。ダイナミックなフォーメーションの上に鎮座する'The Castle'。
見た目カラフルだし、ここがUT-24界隈での一番の見所でしょう。
当初はこのままこの道を抜けて、この公園に別れを告げようかと考えてました。
でもせっかく来たんだし、急遽ここから寄り道して、シーニックドライブ(Scenic Drive)方面に南下してみようと思います。

そのシーニックドライブの入り口付近。
長さ160kmに渡り南北に貫く堆積岩の大断層地帯、ウォーターポケット層(Waterpocket Fold)を進むのがこの道の醍醐味・・らしいです。
確かに地層帯が遥か彼方まで一直線状に連なっていて、少し面白い絵になっています。
この道を通行する際は入り口で5＄必要。ちなみにその入り口は、バーなしの無人ゲート。
しかし田舎の無人販売所で野菜を購入する時のごとく、こんな局面で悩んではいけません。

この舗装道路の終点までは、片道約15分のドライブといったとこですかね・・
視界を遮る密集した森と幅の狭い峡谷に阻まれてるせいで、シーニックと名は付いてるものの、言うほどシーニックでもないじゃないかというのが実感ですヽ( ｀皿´)ﾉ
そんな事よりも所々で、枯れ川を強引に横断する箇所がいくつも存在するのが気になります。
再び雨に降られたらこれが瞬時に激流となり、「DQNの川流れ」状態で孤立する事必至。
はやくこの道終わんないかなと気もそぞろ、結構ビビリ入ってます。

ここで舗装が切れました。道はまだ続きますが天気も気になるし、この辺で戻りましょうか・・
今は到達困難な「秘境」だけが心残り。道が整備されたら再び訪ねてみたいと思い、ここを後にすることにしました。