Canyonlands National Park (The Needles)
ミューリーポイント(Muley Point)を後にし、再びUT-261に戻ります。
モキ・ダグウェイ(Moqui Dugway)の頂上からシーダーメサ(Cedar Mesa)の段丘面の上を走るようになり、これまでの荒々しい風景が一転し、緑の多い景色に変化します。
でもまあこんな長閑な森林地帯をドライブしてると、ちょっと不思議な気がします。
日本の常識だと森林地帯は標高の低い所に存在して、高くなるに従って樹木の背が低くなるものだと考えてしまうからです。
どうやらこちらでは低地でなくて高原の方が、生物にとって生きやすい環境のようです。
しばらくUT-261を進んだ後、UT-95に合流するT字にさしかかり、そこで右折します。
ここも先ほどから続く森林地帯のドライブですが、一箇所特筆すべき景観に遭遇します。
この南北に大きく縦断する、大断層地帯を乗り越えるポイントがそう。
道は絶叫マシンの如く、最下点まで降下した後、再び上昇して強引に乗り越えるのが面白い。
これが日本なら、土木・建築技術の維持・発展のため、長大橋梁を架けて攻略する所でしょう。
UT-95の突き当たりでUS-191に合流し、さらに北へ進みます。
メキシカンハット(Mexican Hat)から70マイルも先に、やっと人の気配を感じることができました。
ここはブランディング(Blanding)の町。
町の手前で速度制限がかかり、時速20マイルで町中を徐行しつつ、ゆっくり見物します。
ここも多分車社会。つーか車を持たないと生活が成り立たないでしょう。
インターステイトを走ってると都市間連絡長距離バス「グレイハウンド」を見ることはありますが、こんな田舎では路線バスが走ってる所すら、殆ど見ることがありません。
見かけるのはスクールバスだけ。もっとも路線バスを走らせても採算をとるのが難しそうです。
バスがなければ車を買えばいいじゃないと、思ってるかどうかは不明だ(ﾟ⊿ﾟ)
ブランディングから先、左手に見えるのは端麗な山々、手前が標高3,488mの'Abajo
Peak'。
なんだか夏の北海道をドライブしてる気分で良いです。
US-191も後半にかかると徐々に緑が多くなり、瑞々しい雰囲気に変わってきました。
この先もう一つ、モンティセロ(Monticello)という、ここも長閑な町を通過します。
少し雲もでてきました。それにしてもこんな土地で流れるFMって新鮮でいいですね。
ここで気に入った曲はThe All-American Rejectsの'Move Along'とか、日本でもブレイクしたJames
Bluntの'You're Beautiful'。それに昔のGAPのCMでシールやアラニス・モリセット、あとロビー・ロバートソンがメドレーしてたのが'Give
A Little Bit'という曲だと初めて知りました。
元々はSupertrampの作品らしいですが、この時流れたのはGoo Goo Dollsのカバーの方。
でも僕はフォーキーな原曲よりも、ガレージパンクのようにエッジの利いたこちらがお勧めです。
FMは、僕がまだ知らない名曲をいろいろ教えてくれるから大好き。
まだ知らぬ名曲に出会うため、僕はドライブをくり返すんです。
'Canyon Country FM' 97.1から流れるロックナンバーを吟味しつつ、目指すはあの雲の先。
次第に縄文式土器の「土偶」を連想させる、なんだかひょうきんな形の岩が見えてきました。
このチャーチロック(Church Rock)の真横を左折すると次の目的地、キャニオンランズ国立公園(Canyonlands
National Park)、ニードルズ(The Needles)地区へ繋がるUT-211へ突入です。
実はこの公園はこの後訪ねる「アイランド・イン・ザ・スカイ(Island in the
Sky)」地区が主役扱いされていて、今から向うニードルズ地区はどうにも脇役扱いの、ちょっと寂しい地区です。
聞いた話ではこの先迷路のように張り巡らされたオフロードを4WDで進まないと、この地区の面白さは半分も理解できないとか・・
だから当初ここは飛ばしてしまおうと考えてましたが、せっかく近くまで来た訳だし、また来ようと思ってもなかなか来れる所でないですから、出来る所まで進むことにしました。
行く価値があるかどうかは、自分で試して判断すればいいだけのこと。
UT-211の最初はこんな感じで、ありふれた高原地帯を走ります。
道はこの後次第に降下します。
そこに待ち構えるのは、両サイドが巨大なメサで囲まれた、迫力の峡谷の下を縫うドライブ。
傍を流れる小川が何世紀もの間、地道に浸食作用を繰り返してできた地形だと思われます。
さすがキャニオンランズと感嘆してしまいますが、実はこの辺はまだまだ名無しの公園外。
単に公園手前の少し地形が険しいとこ扱い。実力あるのに全く無名です。もったいない。
この大迫力のバレードライブは、片道30分程も連続します。
こういうのに慣れると、日本に帰って「寝覚めの床」を見ても不感症になってしまうから怖いｗ
それにしても昨日訪ねたキャニオン・デ・シェイの崖の下を走ってる様な、想定外の面白さ。
正直公園に着いた後よりも、こちらの方楽しめました。
峡谷の裾が広がってだいぶ視界が開けてくると、ようやくご本尊到着間近です。
前方に見える三角錐のツイン・ピークスは、'North & South Sixshooter Peaks'。
でもこの山の麓ですら、まだ公園内ではありません。
面白い形してるんだから、仲間に入れてあげてもいいのに。
公園に徐々に近づくにつれ、周りの景色は今まで以上に赤みが強くなります。
そして岩山の壁を抜けきって、やっとこさ公園ゲートに到達しました。
でもハードなオフロードやトレッキングのスキルを持たない僕には、悲しいかなこの辺が限界。
ここは誰でも行ける入園ゲート付近、木靴のアーチ(Wooden Shoe Arch)の展望台にて1枚。
上の写真だけではわかりずらいので拡大。確かにこれは木靴のアーチ。
まさにその通りでございますと、相槌を打つのみです。
遠くに見えるのはこの地区の由来、針のように鋭い形のニードルズ(The Needles)の砂岩群。
カリフォルニア/アリゾナ州境の同名の町でも、これと似た鋭い形の峰がありました。
舗装はこの辺まで、この先に控えるのはエレファントヒル(Elephant Hill)のオフロード。
4WDで険しいダートを進み、奇岩やアーチが見えた時、この公園の真髄に出会えるそうです。
興味はつきませんが、この先は僕のような素人が手を出すと、痛い目を見ること必至。
潔く、引き返しましょう。
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