North East Corridor, Philadelphia, PA
→ New Jersey Turnpike → Asbury Park, NJ

欧州の車窓から。ロンドン、トラファルガー広場より・・って全くもって嘘です本当にすみま（ｒｙ
ここはペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadelphia, Pennsylvania)。合衆国建国ゆかりの地。だからか米国と言うよりも、むしろヨーロッパの空気が色濃く漂う、歴史の重みを感じる街。
幾分「盛ってる」米国初代大統領のジョージ・ワシントン像(The Washington Monument)を1枚。
という訳で、この頁のテーマは「マッチョ」。男臭く染めてみるのであった。
(´･ω･`)　　　n
⌒｀γ´⌒`ヽ( E)
(　.人 .人　γ ﾉ
ﾐ(こﾉこﾉ　｀ｰ´
)にﾉこ(

さてこの街の最重要観光ポイントは、このフィラデルフィア美術館(Philadelphia Museum of Art)。
所蔵品の量と質双方を見ても世界最大級の「格の高い」美術館。等といちいち説明しなくても、ここは「ロッキー(Rocky)」ファンの聖地としてお馴染み。私の中でも人生No.1の映画(　･ω･)・・
ひとまず車を近くの駐車場に停めます。（って簡単に書いてますが、こんな大都市の街中で車を駐車させる行為は、本当に骨の折れる行為なのです○|￣|＿）
何度も映画で見た風景が目の前に･ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ･ もっともっと、近くに寄りましょう。

ｾﾞｲｾﾞｲ息を切らして階段を駆け上がる前に、手前右側のブロンズ像に立ち寄ってください。
ロッキー像(Rocky Statue)。「ロッキー３ (RockyIII)」でお披露目された時、ミスター・Ｔにその場で喧嘩を吹っ掛けられていましたね(´･ω･｀)
（映画の世界と現実がないまぜになってしまってるのは、ご容赦ください。）
自分も同じポーズをとり記念写真を撮りたいと思うものの、なかなか順番が回ってこないのは、みなに愛されている証拠なのでしょう。

「ロッキー・ステップ(Rocky Step)」と呼ばれる、美術館正門の階段を駆け上がります。
疲れ果てた感を演出して一枚。しかし実際は高低差も勾配も全然きつくなく、拍子抜けの按配。まあロッキーはフィラデルフィアの街中を走り回った後、檀上をゴールにしてただけですからｗ
グダグダ言ってますが、そんな事を考え、今この場所を共有しているのは感無量です・・

ロッキー・ステップ最上段より1ショット。映画でも何度も映し出された、お馴染みのアングル。
場末のボクシングの試合で勝ったり負けたり、どちらかと言えば「負け犬」のように過ごす日常。
そこに世界チャンピオン挑戦という、降って湧いた人生の転機。人見知りが激しく戸惑いながらも次第に心を寄せる恋人エイドリアン。そんな妹と同様に不器用な性格、しかし粗雑な彼なりにも友人の役に立ちたいと思っているポーリー。才能は認めながらも、高利貸しの手下になって働くロッキーを殆ど勘当していたが、頭を下げてトレーナーを申し出、和解するミッキー。
・・廻りの誰もが煮え切らぬ人生を共有するからこそ、ロッキーに肩入れしてしまう、人間ドラマ。
観るたび好きなシーンが増えるのも特徴。スパイダー・リコとの冴えない死闘を終えて帰宅し、昔の自分の写真を見ながら、今の自分を鏡に見つめる姿が、今の私の名シーン。

せっかくですからこの名作ゆかりの他の聖地にも足を運んでみようと、車を転がします。
しかしこんな大都会の運転は想像以上にストレスの溜まる行為。GPSを頼りにしても、思うように右左折できませんし、挙句に警官にどなられるわで、先ほどの良い気分が相殺される始末。
私は結局行けませんでしたが、誰かの参考になればいいかなと思いますので、以下どうぞ。
リンク先はGoogleマップで、下はGPSの座標です。ガーミンに数値を入力してください(　･ω･)

・ロッキーが通っていたミッキーのジムロケ地
N 39°58' 58.9'' W075° 07' 57.0''

・ロッキーが住んでいたアパートロケ地 （部屋番号は1818号）
N 39°59' 23.7'' W075°07' 26.1''

注）ともに治安が良いとは言い難い微妙なエリアに位置します。訪問はくれぐれも自己責任で。

気がつくとデラウェア川(Delaware River)に架かるベンジャミン・フランクリン・ブリッジ(Benjamin Franklin Bridge)に誘導され、フィラデルフィアを後にする始末・・もう来ねえよヽ(`Д´)ﾉ
しかもこの橋を渡り連れていかれるのは、ニュージャージー州カムデン(Camden, New Jersey)。落書きだらけの廃墟、散らかったゴミ屑、閉ざされたシャッター、うろつく何とも目つきの悪い方。フィラデルフィアもそうでしたけど、この辺のダウンタウンは下手に寄るなオーラ満載で、怖いｗ
実はこの街、全米最悪クラスに治安が悪いとされる街※。こんな時に限って下道をグルグルする羽目になるのですが、同乗者に切迫した気持ちを悟られぬよう、冷静を装うのが精一杯でした・・

※フカしてんじゃねーよ(*´`ω´)/という声もあるかも知れませんので、一応ソースを。
"The Most Dangerous Cities in the United States: Top 10 in 2014 FBI"
1. Camden, New Jersey　(←いまここ）
2. Flint, Michigan （アポなし映画監督マイケル・ムーアの故郷）
3. Detroit, Michigan (ロボコップとエミネムの出身地で有名）
4. Oakland, California
5. St. Louis, Missouri
6. Cleveland, Ohio
7. Gary, Indiana （マイケル・ジャクソン始め、ジャクソン兄弟の出身地）
8. Newark, New Jersey
9. Bridgeport, Connecticut
10. Birmingham, Alabama

怪しげな界隈を抜け、何とか大きな通りに出ましたﾔﾚﾔﾚorz・・
せっかくなのでここから南西方面約2時間半の距離に位置するワシントン(Washington D.C.)にも寄りたい所ですが、そこに行くならスミソニアン博物館(Smithsonian Institution & Museums)に寄らねば全くお話になりません。しかもその展示物の量と質から、2〜3時間どころか2〜3日は確保したい場所。時間を捻出できないので諦めます。
という訳で今から向かうは北東方面。再びニューヨーク(New York)に戻る進路を選択しましょう。

ハイウェイに乗る前に給油します。ついでに今回の相棒を紹介しましょう。
キア・リオ(KIA Rio)の4ドア・・まあこんな機会でもないと韓国車に乗る事などなさそうですから、先入観は置いて、正直な感想を述べてみましょう。
まず今回は大した距離を走らないからと、普通車の一番廉価なエコノミークラスを選択しました。Hertzのこのクラスにはクルーズコントロールが装備されていない事は解ってたつもりでしたが、やはりハイウェイでの疲労が全然違う事を思い知らされ、正直後から後悔です(´･ω･｀)
あとエンジンの吹け上がりもイマイチ。もっとキビキビしていいような気もするんだよなあ・・
とは言え今回の旅の友。よろしくニダ<｀Д´>

ちなみにニュージャージー州ではガソリンスタンドに入ると、もれなく店員が「いらっしゃいませ」と寄ってきて、ノズルを給油口に差し込んでくれる、極々当たり前のサービスが展開されます。
アメリカでは当たり前にも思えるセルフサービスのスタンドが、この州内には一切存在しません。これはオレゴン州もそう。雇用維持の観点より、州法で定められているからです。

ニュージャージー・ターンパイク(New Jersey Turnpike)と呼ばれる、I-95に合流しました。
名前は物凄く恰好良く思えるのですが、期待を裏切るようにこの道も風光明媚だとは言い難い。でもブルース・スプリングスティーンの'Highway Trooper'という曲の中でこの道の名が登場する事を思い出し、テンションが上がるのは、私だけでしょうかヽ( ﾟ∀ﾟ)ﾉ
次に寄るのは今名前を出した、「Boss」が愛称の彼の故郷、アズベリー・パーク(Asbury Park)。
今回の旅で一番訪ねたかった場所かもしれません。夕暮れ前に辿り着けるよう、飛ばします。

その町のロケーションは海岸線に面した場所。内陸を貫くニュージャージー・ターンパイクから、州都トレントン(Trenton)付近でI-195に移り、東に進みます。
せっかくなので「Drivin' in to Darlington County〜♪」と鼻歌でアプローチしたいとこですけど、この歌の舞台はサウスカロライナ州。残念ながら気軽に寄り道できる距離ではありません。
なおこのランプを降りて少々北に進んだ場所にあるフリーホールド(Freehold)は、彼が育った町。そして近所には彼の出生の地、ロングブランチ(Long Branch)の町も横たわります。
という訳でこの辺はボスの地元。我が物顔で何度も車を転がした道に違いありません・・

ハイウェイエンドから延びる下道が海岸線に到達した所が、ボスの本拠地アズベリー・パーク。
大西洋(Atlantic Ocean)のコーストラインに設置された、このボードウォークが観光地。
さてここで撮影された「Lonesome Day」のPVよろしく、これから自分も散策しながら町中に残る、ブルース・スプリングスティーンに縁のある場所を訪ねに行きましょうか・・

ボードウォークの上、人目を引くと言うよりも、逆に見つめられた気がして落ち着かない建物は、ここの最古のテナント、マダム・マリーズハウス(Madam Marie's House)。
占い小屋の住人はブレイク前のブルース・スプリングスティーンに「あなたは大きな成功をなす」と予言した、アメリカで有名なフォーチュン・テラー。彼の歌「4th of July, Asbury Park (Sandy)」でも取り上げられ、その名を知られる事になりました。
筆者は普段、こんな細木数●が生息するようなブースは積極的に避ける人生を送っていますｗ しかしこの時ばかりは占って貰っていいかも・・という気分に一瞬なりかけましたが、やめた(+_+)
残念ながら当の本人は2008年に他界したとの事。という事は弟子が後を継いだのでしょうか・・

ボードウォークを降りて、オーシャン・アベニュー(Ocean Ave.)を散策します。
ここはボスが新人の頃よく演奏したクラブとして知られる、ストーンポニー(The Stone Pony)。
余談ですが筆者はここが「凍てつく10番街(Tenth Avenue Freeze-out)」の曲中での1シーン、「ビッグマン」ことクラレンス・クレモンズがサックス片手に、「お前のバンドで演奏させてくれ」と、E Street Bandに合流したドラマが生まれた場所だと思い込んでましたが、違ったようですorz
確かにこの通りの名は10番街ではないし、少しがっかり。ここから少し南のベルマー(Belmar)の町中にある'10th Ave.'沿いの、あるクラブで起きた出来事というのが、定説です。

同じくオーシャン・アベニュー沿い。どう見ても藤子不二雄Aの喪黒福造にしか見えないキャラが看板のワンダーバー(Wonder Bar)。アメリカはゆるキャラ後進国ですねｗ
でもよく考えてみれば日本だってまんべくんやオカザえもん等、毒舌だったりシュールだったり、「ゆるい」とは認め難く、今までの常識でついていけないキャラが幅を利かせているわけでして、そういう事情を与しますと、まあこういうのも「あり」なのかなと、妥協してしまう訳です。
嘗てここには小さな遊園地があり、そこそこ賑わった時代もあったそうな・・しかし寂れてしまい、廃業後このティリー(Tillie)君という名のマスコットを、この店で受け継いだそうです。
彼の肖像もボスのお気に入り。アルバム「Tracks」のインナースリーブにも登場しました。

再びボードウォークに戻ります。
彼のデビューアルバム、「アズベリー・パークからの挨拶(Greetings From Asbury Park, N.J.)」のジャケを映し込み、一枚。
このアルバムのデザインは、実際にこの街に昔からあるグリーティングカードの図柄そのもの。
よく比較されるボブ・ディランは故郷ミネソタをさっさと後にし、どこに存在するのかよくわからない架空の都市を舞台にして歌を創ったのと対照に、スプリングスティーンは地元ニュージャージーの実在の風景に「郷土愛」を織り込み、物語を編んだのが特徴だと言えましょう(　･ω･)・・
絵葉書はボードウォークの上に並んだ土産屋でも売っていますから、是非探してみてください。似たような音楽の趣向を持つ方に切手を貼って送ると、喜ばれるかも知れません。

黄昏の定番、夕暮れ時の海岸線。大西洋を望み、１枚。
湘南にはサザン、米国西海岸にはドンヘンリー、そしてここ東海岸にはスプリングスティーンと、特定の海には特定のミュージシャンとの親和性が高い事を、思い知らされるよう。
長引く不況の廃墟の街(My City of Ruins)を抜け出すには、化粧をし、髪をアップにした女の子とアトランティック・シティ※で待ち合わせ、人生一発逆転するしかないんじゃないか・・
どうも彼の作品からはそういうイメージが拭えずｗ 寂れた風景を覚悟しつつ辿り着きましたが、意外や意外、海辺に佇む人が戻り、駐車場もほぼ満車で、賑わっていました(　･ω･)・・

※アトランティック・シティ(Atlantic City)・・ここから車で南に約1時間半、「東海岸のラスベガス」と呼ばれる事もある（実際は比較にならないらしい）、カジノ街。ロック好きには刹那的な人生が叙情豊かに表現された曲の街として記憶されました。こちらもボードウォークが有名です。

「体育会系」や「脳筋」、誤解されやすいイメージを持たれるスタローンにスプリングスティーン。そんな肉体派の二人の足跡を辿りましたが、自分の印象は双方とも、「良き敗者の代弁者」。
二人の作品が気がついたら自分の重要なマイルストーンになってしまっているのは、敗けた後、そこにロマンティシズムに溢れた、決意や覚悟、静かな闘志を感じるからでしょう・・
さてもうこんな時間。予定ではもっと先の町まで進むつもりだったのですが、この辺の街外れのモーテルを探すのもいいかも知れません。カーステでこの曲をかけながら、闇に消えましょう・・

-闇に吠える街 (Darkness On The Edge Of Town)-

生まれた時からいい生活を送る事ができる奴もいれば、努力しないと難しい奴もいる。
Some folks are born into a good life / Other folks get it anyway, anyhow
俺は金も妻も失ってしまったけど、今となってはもう、どうでもいい事さ。
I lost my money and I lost my wife / Them things don't seem to matter much to me now
今夜自分が持つ全ての物を持って、あの丘の上に行こう・・気が急いていられない。
Tonight I'll be on that hill 'cause I can't stop / I'll be on that hill with everything I got
夢が見つかったとしても、儚く破れてしまう。俺はその時に現れ、代償を払ってると言うのにね。
Lives on the line where dreams are found & lost / I'll be there on time and I'll pay the cost
自分の望む物が、ここでようやく見つかるはず・・闇に包まれた、町の外れで。
For wanting things that can only be found / In the darkness on the edge of town