Route66 (Groom → Amarillo →Cadillac Ranch → Vega, Texas)

テキサス(Texas)の広大な原野沿線に、少しずつ建物が増えてきました。次第に漂う人の気配。
鉄路もI-40に寄り添います。貨物列車の向う、燃えるサンセット。
この数日、一日を大切にしすぎてｗ 深夜まで行動してしまいましたが、流石にもう疲れました・・
もうすぐ地方都市アマリロ(Amarillo)、日が沈む前に、今日はそこで終業としましょう。

今日は何処に泊まろうか、部屋空いてるかな? 安いといいけど殺風景な部屋はヤだな・・とか、若干不安気味にモーテルに車で滑り込む瞬間は、やはり何とも言えない高揚感があります。
よく知らない町の懐に飛び込む小さなギャンブル・・これもアメリカドライブの醍醐味の一つ。
今日の宿はExit74近郊、アマリロ郊外に居を構える老舗のビッグテキサン(The Big Texan)。
モーテル同様、併設のステーキハウスも有名な、この界隈では定番の観光名所。
この頁くらいは、見たまま豪快なテキサスの光景で埋めてみますか(´･ω･｀)

上の写真の建物はステーキハウスの方。ちなみにモーテルはこんな感じで、それぞれの部屋がカラフルに彩られて、視覚的にも実に煌びやか。
トイ・ストーリーのウッディに少し似たカウボーイの看板も、チープですが悪くはありません。
ダラスからその日の内に辿り着けるのか、イマイチ自信がなく、予約なしでしたが、ラッキーにも飛び込みで部屋が取れました。税込み一泊＄69。「ペットは連れてないよね」の念押し付き。
も少し安いとこあるんじゃない?（ﾟДﾟ)y─┛~~　何を言ってるんです？ アルコールを摂取しつつ、飯喰った後運転せず、そのまま宿に転がり込めるのは、お金に換えがたいメリットなんですよｗ
それにしてもこのバス、全く鬼畜な駐車しやがって、写真の邪魔(#･∀･)

多分ドナドナ状態で車に牽引され、市内くまなく店の宣伝で連れ回されてるであろう、牛さん。
筆者はいろんな漫画読みですけども、最近はヤングジャンプの「嘘喰い」がフェイバリットでして、こういう物体を観ると、登場人物カール・ベルモンドさんが憑依してしまいますｗ
ま、まさか・・こ・・この形・・・
これは・・作らせたのか・・・・・ど・・・どうかしてる・・・・
これは、この牛は・・・ファラリスの、吠える雄牛・・・(※)

※「ファラリスの吠える雄牛」とは・・古代ギリシアで設計された拷問及び処刑器具。雄牛の形状をした筐体内が空洞になっており、処刑される人間を放り込んで下から火を炙ると、中の人間がジワジワとローストされた後に絶命してしまうと言う、狂気じみて残酷な装置。
これより実物に近い形状は山形新幹線の米沢駅構内にもありますので、見学をお勧めしますｗ

「リモ」と略して呼ばれたりする事も多い、店の送迎用ストレッチド・リムジン。
これもカーズ関連。フロントマスクに牛の角、キングをサポートしたダイナコのオーナー。
彼の名はテックス、その名前からして彼がモデルである事に、疑いの余地はありません。

ステーキハウスに入ります。見たままカウボーイ共が集う、実に男臭いｗ 店内。でもウェイトレスもカウボーイハットを被った、いかにもなカウガール。テキサス版メイド喫（ｒｙ
彼の代表作とは決して言い難いのですが、日系米国人が大統領選挙に出馬した姿を描いた、かわぐちかいじの漫画、「イーグル」をご存知でしょうか・・
その作品の中、テキサスでの選挙攻防戦中に、この店の雰囲気にも似た「スター・カフェ」というステーキハウスが舞台として出てきます。おそらくこの店がモデルなのではないでしょうか・・

私のサイトはありがちな食い物を何故か載せない事で有名ですが、今回特別に。
肉の本場テキサスでステーキを喰らう日がくるなんて、もう「プロレススーパースター列伝」でのスタン・ハンセンの逸話を思い出してしまいますｗ
ドリー・ファンク・Jrぶり、門下生を見下す気分で、血のしたたる焼き方で食するのが通ｗ
黒ビールはピッチャーのような特大ジョッキ。ステーキのでかさはそれから想像して下さい。
ちなみに店の名物は72オンスステーキ。我々に馴染みない単位ですが、換算すると約2kg。

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※上のｵｴｰは量に対するのものであり、決して質に対してではありません。誤解なきよう。

一時的にたまたま、ポッコリと出てしまった(?)腹を擦りながら羽を休める部屋はこんな感じ。
実にいい感じではないでしょうか。この部屋はステーキハウスから少し奥まった所にある新館。
これであの値段はかなり良心的。でもアメリカのモーテルによくある以下の事項は、同じです。
・使い捨て歯ブラシがないし、スリッパもない。
・一方枕は不必要に何個も装備されている。非ECO極まりない。スーパーホテルを見習え。
・TVはまだアナログが余裕で生き残っており、地デジを見慣れた目に、画質はイマイチ。
・バスタブ周りに排水設備がなく、溢れたお湯はバスタオルで吸収しとかないと怒られそうだ。
・ガラスのコップが常備されず、ﾍﾟｺﾍﾟｺのプラスチックカップしかないのが、妙に貧乏くさい。
・使わなくてもアイスペールに氷を満たしておかないと、何故か負けた気がする。

訪れたのは大統領選真っ只中、2012年8月後半。既にバラク・オバマとミット・ロムニーの二択。
でもTVに映るはロン・ポール。言っちゃ悪いが泡沫候補。在日米軍基地の撤退を主張したりと、彼が当選すれば日本もただ事じゃないと、少し有名になりましたね(´･ω･｀)
でも彼が主張するのは共和党の根幹である、「小さな政府」を地で行く論理。行政は必要以上に人の生活に介入しない、だから国民皆保険にも他国に干渉する事にも反対。当然銃規制反対。自分の身は自分で守るから政府は民間に口出しするな。と、こういう訳ですね。
その主張にはいろいろ思う事もありますが、テキサス州選出の下院議員出身である彼の演説がLiveで約1時間、最初から最後まで放映されたのは、さすがにここは共和党の牙城です。
今はもうその言葉を聞く事は殆どなくなりましたが、彼は反オバマ運動、「ティーパーティ」というムーブメントの筆頭でもありました。
その語感から、「けいおん！かよｗ」と、お茶の間でツッコんた方も、多かった事と思われますｗ

日の出前のAM6:00。ここは全米主要道のロードサイドに展開するコンビニ兼ガスステチェーン、「Travel Centers of America」。先にも紹介しましたが、奥に見える「Love's」がライバル。
こういう形態の店は「Truck Stop」とも呼ばれ、長距離トラックも多数が休憩する場所でもあり、いかにもアメリカンな風景を感じる事ができ、眺めていて飽きません。
今からの長距離ドライブに備え、満タンにします。この辺の無鉛レギュラーの単価は、約3.4＄。
1ガロン=3.785リッター、1＄=80円(当時)で計算してみましょうか。なんとリッターあたり72円弱。
円高のメリットを生まれて初めて享受できた気がしますｗ
それでもガス単価高値安定の傾向は維持され、もうあきらめるしかないと思いましたが、意外と最近は下落傾向。3＄を下回る店も出てきました。「シェールガス革命」のお陰かも知れません。
ちなみにカリフォルニア(California)州は他州に比べ、1＄程上乗せされた「カリフォルニア価格」がまだ健在ですから、もうあきらめてくださいｗ
参考までにアメリカのガス価格を知る際は、ガスバディ・コム(別窓で開きます)が便利です。

今日の到着地の予定は、I-40を西方に290マイルほど進んだ、アルバカーキ(Albuquerque)。
でもそのままI-40に乗ってたどり着かず、ニューメキシコ(New Mexico)州の途中から南下して、州南のホワイトサンズ国定公園(Whitesands NM)に寄った後、北上し到達する予定です。
本日の走行予定距離は約650マイルｗ だから誰だまったくこんな計画したの(ﾉﾟ∀ﾟ)ﾉ~┻━┻
まあ今気にしても仕方ありません・・深く考えず、先に進みましょうｗ

遠出の前にI-40を一旦降り、アマリロ近隣の最重要ポイントに立ち寄ります。
ここも代表的なルート66のランドマーク、キャデラック・ランチ(Cadillac Ranch)。
ここの農園主が、廃車のキャディラックを10台手に入れて創作した、「不条理系」オブジェ。
アメリカンドリームの象徴を地面に突き刺した意味は分かりませんが、大地に昇る朝日を受けて堂々と佇む姿は、たとえ周りがペンキ缶のゴミだらけだとしても、実に絵になる姿です。
ロック好きとしては、ブルース・スプリングスティーンのアルバム'The River'で同名の曲もあり、中ジャケでもここの写真も使われており、そういった意味でも有名です。
その'The River'ポイントからの1ショト。廻りに誰もいない、静謐な一時・・

'Cadillac Range'(キャデラック山脈)と表記された、カーズの元ネタもここなんですね。
とりあえず、スプリングスティーンの'Cadillac Ranch'をiPhoneで流してみます。
でもいざ聴いてみると、残念だがこの場にイマイチ合わない、う〜ん「場違い」すぐる(´Д｀ ）
この曲はRock'n Roll。オイルの匂いがするアメ車やハーレーに乗ったカップルだとか、傍で誰かが賑やかにやってないと、残念ながら出番ではないようです・・
まあこんな時間だし、周りに誰もいないのは仕方ない。この一曲前に戻します。'Point Blank'。
うん、目の前の風景はまさにこの曲の雰囲気。静かだけどエモーショナル。しばし佇みます。
せっかくなのでここもパノラマを、どうぞ。（別窓で開きます）

ちなみにI-40からこのオブジェまで、意外とこんなに距離があります。Exit60と62Aの中間あたりの南側に位置しますが、ﾎﾞｰと運転してしまうとたどり着けない可能性も大、ご注意を。
で、ここを立ち去る直前に、またなかまがやってきまし（以下略
彼はトライアンフを駆る大英帝国出身のバイカー。定年でリタイアしたのを転機に日程を決めず、シカゴからルート66をサンタモニカまで向かうとの事。
全く東本昌平の作品、「RIDE」の中に出てくるような人物じゃないですかｗ 僕も西に向かうので、じゃあせっかくですから途中までご一緒に。
まるで山Pのルート66ドキュメントのような、申し合わせたような展開に乾杯ｗ

僕は人見知りする性格。旅の途中で知り合った人々の写真を殆ど残していません。
だって断られたらイヤなんだもんｗ いつも後悔するのですが、小心者の性格なので仕方ない・・
だからコソコソと、彼が見えない所で、後姿なんかを風景と一緒に、納めてあげたりします。
I-40に暫らく併走する、側道ルート66を走る、彼の背中をショット。
立ち去った後でようやくなんとか、'Cadillac Ranch'の曲が似合う光景となりました(　･ω･)

再びI-40の上へ。恒星の名のようなベガ(Vega)の集落手前で右手に見える、圧巻な風車群。
'Wildorado Wind Ranch'。70機が稼動。昨日遭遇したウィンドファームよりも、明らかに大規模。
完成と稼動は2007年。ここ数年、こうした風力発電装置が、全米のあちこちに増えたようです。
現在風力発電量でも米国がドイツを追い越しトップ。今までこういう光景はパームスプリングス(Palm Springs)の風車群が有名でしたが、さらに進んだ段階に来ているようです。

右方に聳える風車群を眺めつつ、時速75マイル。にしても、洒落た町の名前じゃないですか。
ウィンドウ全開だと突風に見舞われ、車内を領収書やスケジュール表が舞う羽目になりますがｗ でも自由を感じる時とは、おそらくこういう時なんでしょう・・
試しに斉藤和義「ベガ」をカーステで聴きます。こちらも見事風景にシンクロしてﾔﾊﾞｲ(；ω；)

　どっち行こう　誰も気にしない
　　あての無い　その果てをあてに　

「ぼくのかんがえたさいきょうのBEST」を流しつつ、後戻り出来ない旅を、今日も続けましょう・・