Death Valley National Park (Part 1)

賭け事の鉄則は、「勝ち逃げ」と「損切り」する事。だがその潮目の判断が、実に困難orz
宿泊したプラザホテル(Plaza Hotel)より早朝のストリップ(STRIP)を眺め、コーヒーもう一杯。
「こうすれば良かった・・」と後悔しつつ、ラスベガス(Las Vegas)を立ち去る事にも慣れました。
そして相変わらず寝不足ですが、運転すれば目も冴えてくるでしょう・・出発しますか・・

さて、今日の予定はここからヨセミテ国立公園(Yosemite National Park)まで移動するだけの、実に簡単なお仕事ですｗ
とは言え道が真っ直ぐ引かれている訳ではないので、それなりに寄り道して進む事になります。
約450マイルもの距離ですが、一日で650マイル走った日もありましたし、こんなの楽勝でしょうｗ
最初に向かうのはここから2時間半先の、デスバレー国立公園(Death Valley National Park)。
ホテルのあるダウンタウン(Downtown)を離れ、街をテキトーに流します。途中で朝飯を喰って、ガスステにも寄りつつ、高速の入り口を探しましょうか。

これは米国に何軒かある、「ヒストリック・マグドナルド(Histric McDonalds)」と呼ばれる店舗。
「グーギースタイル(Googie Style)」と呼ばれる店舗の形状に、意匠が若干異なる事と、ドナルドじゃなくてアンパンマンみたいなマスコットが描かれているのが特色です。
聞いた話じゃバーガーにはドリンクでなくて、シェイクをオーダーするのが、「通」の頼み方。
ちなみにラスベガスヒルトンホテル(LVH)の正面玄関に面したパラダイスロード(Paradise Rd.)と、イーストサハラアベニュー(E. Sahara Ave.)の交差点にあるので、興味のある方はどうぞ。

※Googie Styleとは・・1950年代にLAを中心に流行した建築様式の事。横に長い平屋建てに、傾斜した屋根やガラスの壁、また背が高く目立つ看板等を配置した「レトロ未来」さが特徴です。当時のロードサイドのコーヒーハウスやボーリング場等によく見られました。

さて朝マックで腹も落ち着いたら、街を離れましょうか・・
これから走る道はベガスに遊びに来たのであれば、1日だけでもいいからレンタカーを転がして頂きたいほどに興味津々な施設が混在する、筆者お勧めの界隈です(´･ω･｀)
複雑に交差する高速のインターチェンジに翻弄されそうになりますが、迷わずネバダ(Nevada)州北部のリノ(Reno)や、トノパー(Tonopah)方面のUS-95、北行きに舵を取りましょう。

序盤は郊外のニュータウンやショッピングモールの脇を通過しますが、突如何の余韻もなく、US-95は奇妙な樹形のヨシュアツリーが印象的な、砂漠の一本道に変貌します。
日本では決して経験する事のない大陸ならではの風景。全くこういう物を見る事ができるから、アメリカドライブはやめられません・・
FMに流れるアデルの「Rumour Has It」。モンスターアルバム「21」からの何番目かのシングル。何故こんな不穏なメロディーを持つ曲がシングルになったか、正直理解ができませんでしたが、こうして聴いてみると、こんなシチュエーションには非常にマッチするんですね(　･ω･)・・
声色の如くドスの利いた風景。iPhoneをカーステに繋ぎ、この曲を執拗にリピートさせます。

車窓に流れる典型的なネバダの風景。スコセッシの「カジノ」のワンシーンを思い浮かべます。
映画の中盤、今まで仲良くやってたジョー・ペシ演ずるチンピラのニッキー・サントロと、ロバート・デ・ニーロ演ずる主人公のサム・ロススティーンが仲違いする状況になり、ナシをつけるために、ベガス郊外の砂漠の中、二人だけで落ち合うシーンがありましたね(´･ω･｀)
今まで仲間だったとはいえ、こんなところで決裂したら、後はただ殺されここに埋められるだけ・・ロススティーンの焦燥感がうまく描けてたシーンでした。

果てしなく続くと思われる砂漠の中にも、集落はいくつか存在します。ベガスから約40分、ここはインディアンスプリングス(Indian Springs)の町。
トリビアとまではいきませんが、地名に「スプリングス」が付くと、漏れなく「泉」の湧き出る場所を意味します。ここは文字通り、砂漠の中のオアシス。ちょっと寄ってみましょう。

現在この町の主要産業は、米軍「クリーチ空軍基地(Creech Air Force Base)」。
この近辺に存在する「エリア51(Area 51)」として有名になってしまったグルームレイク空軍基地(Groom Lake A.F.B.)や、毎年11月に航空ショーで賑わう、ラスベガス近郊のネリス空軍基地(Nellis A.F.B.)とは異なり、ここはマニアにもその存在を殆ど知られる事がありません。
ですがここは、最新兵器として広く知られる事となった「作戦用無人航空機(UAV)」が所属する、米軍の主要基地の一つなんですね(´･ω･｀)
アフガニスタン紛争だとかイラク戦争で実際に運用されたグローバルホークやプレデター等は、実はこうした基地内にあるコントトールルームから遠隔操縦されてた訳です・・
この先偵察機や爆撃機の大半はこれらにとって変わるのではないかという意見もある一方で、「ゲームのような感覚で・・」と、倫理的立場から批判を受けやすい兵器でもあります。

US-95に戻ります。右手の奥は「ネバダ核実験場」(Nevada Test Site)※の、物騒すぎる界隈。
公表では1992年までに828回もの地下核実験が行われましたが、でも今は「臨界前核実験」、つまり爆破のギリギリ一歩手前でやめちゃう方式に、切り替えられています。
よって嘗てほどに核の匂いは強烈ではなくなりましたが、 Googleマップでこの辺を凝視すると、いまだグラウンド・ゼロが散見され、月面のクレーターのような傷痕を窺い知る事ができます。
それに加え空軍の訓練空域や爆撃機の演習地(Nellis Air Force Range)としても絶賛活用中。何かと不気味でキナ臭い土地ではあります・・

※現在、「ネバダ国家安全保障施設」(Nevada National Security Site)に改称されたようです。

このUS-95からさらに山側に入った僻地に、人知れぬ集落が存在する事をご存知でしょうか・・
集落名は水銀を意味する「Mercury」、核実験場に従事する人の居住、研究施設なんですね。
US-95から5マイル先の集落まで道が伸びていますが、かなり手前でゲートが設置されており、関係者以外オフリミット。ここもエリア51と同様に、近づく事はできません・・
その先はGoogleマップに頼るしかありませんが、さらに北に延びる道は上記リンク先に繋がり、かなり広範囲に渡り建造物が点在している事が判明、想像以上に大掛かりな施設のようです。
砂漠の中に不自然に点在する謎の施設を遠方よりショット。これができる限りのレポートです。

宇宙人グレィ君も歓迎してくれる、アマゴサバレー(Amargosa Valley)の集落に到着しました。
写真奥に見える山に注目してください。この地下を膨大な予算をかけて掘削し、ここが世界最大と言われるユッカマウンテン核廃棄物最終処分場(Yucca Mountain nuclear waste repository)の建造された場所です。
しかし運用の一歩手前まで整備されたにも関らず、オバマ政権がダメ出ししてしまったために、一転巨大な遊休地と化し、かなり残念な場所になってしまいました(´･ω･｀)
その判断が適切だったかには触れませんが、使用済み核燃料の行き着く先はあのアメリカさんにも頼れず、将来に渡り困ることになりました・・

前回訪問時はUS-95をもう少し進んだビーティ(Beatty)の町でデスバレーに舵を切りましたが、今回はアマゴサバレーよりNV-373方面に少し南下し、アプローチする事にしましょう。
それはともかくこの辺を走ると軍事や核の話題が避けられず、殺伐となってしまいがちですが、正直言うとマニア心をくすぐり、わかる人にはお勧めしたい一帯なんですね(´･ω･｀)
相変わらず車の外は半端ない熱量。進路に「逃げ水」が絶えず、常に霞んで仕方ありません・・人類の行き着く先は、こんなターミネーターに出てくるような道でなければいいんですが・・

ここでネバダ州ともお別れ。ようやくカリフォルニア(California)州に入りました。
本当は画面奥に車を停めてる女二人組の「テルマ＆ルイーズ」をアップにし、もっと雰囲気ある一枚にしたかったのですが、さっさと行ってしまったのでこれで手を打つことにします。
NV-373はここよりCA-127、少し進んでその名もデスバレー・ジャンクション(Death Valley Jct.)で西に延びるCA-190へと、さらに進路を変えます。
やっとカリフォルニアか・・もう少しだな・・と思ったのも束の間、大いなる勘違いだと気付くのに、そう時間はかかりませんでした(´･ω･｀)

デスバレー・ジャンクションから西に向かい、CA-190を進みます。あの山を越えたら「死の谷」。そこで休憩しましょう・・
黙ってましたが、体調が今イチ良くないんです・・このウネウネうねる道もあまり楽しめてない・・睡眠不足から来てるのかもしれません。風邪ではないと思うんですが、ちょっと横になりたい・・
ビジターセンターまで持つかな・・不安で仕方ありませんが、気合で何とかしようと頑張ります。

よく覚えてませんが、ここはもうデスバレー公園内のようです・・
耐えがたき睡魔に襲われ、どこか休憩できる所はないかの一心で、ハンドルを握っていますorz
誰かに一服盛られたようｗ その辺の路肩に停めて休憩すべきなんでしょうが、危険が危ない・・せめて車がたくさん止まっているところはないものか・・
身の回りの風景に変化が訪れました。黄金色をした山肌がまばゆいばかり。ああそうか、ここはザブリスキー・ポイント(Zabriskie Point)。せめてこの駐車場まで、頑張らねばｚｚｚ・・

ここはデスバレーの縁（へり）に鈍く光る、黄金郷（エルドラド）。ザブリスキー・ポイントの駐車場に滑り込み、意識のなくなる手前で渾身の一枚。
もうホントに眠くて辛い(;´Д`)・・今の状況をＡＡで例えると、ちょうどこんな感じですｗ

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　死　　連　　　　ヽヽヽﾘﾘﾉﾉﾉノノ ﾐ　　　　　|,､,､,､,､,､,､,､,､,､|
　ぬ　　れ　　　　ﾐｼ"￣'`￣￣ ヾﾐミ　　　　|,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､|　　　　　　 ＿＿
　ほ　　を　　　　.ﾐ|　　　　　　(　iﾐミ 　　／|,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､|ヽ 　　 　//　 　ヽ
　ど　　起　　　　.ﾐﾄ_,,,,, i,i ,,,,,,,,,_ 〈ﾐミ 　.(　　　　　　　　　　　　　)　　　 | |　　　　|
　疲　　こ 　 　 　ｖ ,-・-l　-・-_ 　iﾐﾐ 　 (ヽ＿＿＿＿＿＿＿ ノ　　　　　| |　　　　|
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　て　　な　　　＿_.| ( ,-ー-､　) 　|ｼ＿_ヾ;;;|　i'' ヽニニｿ ''i l;;;ノ＿ 　　　 ヽヽ　　ノ
　る　　い　　/　　 ヽ` ,⌒　　´ ／　　　　　ｌヽ　' し　　　// 　　　 ヽ　 　 　￣￣
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クーラーを効かせたまま、この駐車場で約3時間意識を失ってました・・
お陰でこの後の予定は・・その顛末はこの後の頁で書く事にしましょう。