Grand Circle Revisited　（AZ-98, Glen Canyon)

「また、一人で来てしまった・・('A`)」と五ェ門のセリフを改変したような適当な独り言を残しつつ、モニュメントバレー(Monument Valley)のビジターセンター(Visitor Center)を出発します。
ビュートに別れを・・と言いたい所ですが、そのうちまた寄る事でしょう。この辺は自分にとって、妙に親近感を覚える土地になってたりします・・同伴で来るかは分かりませんが（苦笑
人生何が起こるかわからないから、これが最後かもしれないとか、決め付けないことだ(´･ω･｀)
これから向かう目的地も、以前訪ねた土地の再訪。どうなっているか、楽しみです・・

聖なる大地と俗界との挟間に、結界を張るように佇む、左に'Agathla Peak'と、右に'Owl Rock'。
ギャートルズに出てくる火山ｗ 先程訪れたシップロック(Shiprock)同様の火山性隆起が起こり、周りの柔らかい岩盤が侵食された事により、形成された急峻です。
US-163はこの先旋回しながら2つの岩の中心を通過します。ただしここは以前紹介したように、一直線で貫く逆サイドから眺めたほうがいいですね(　･ω･)

ケイヤンタだのカイエンタだの、日本語化の際の「表記揺れ」に苛まされる、ここは「Kayenta」。
ここも3度目。しつこくリピートすると何だか故郷のようにも思えるから不思議です・・
「相変わらずバーガーキングとマグドしかない町だなｗ （注：ソニック・ドライブインもあります。）」この辺は我々のシマ（ﾟДﾟ)y─~とばかりに勘違いしつつｗ 今回はバーガーキングに入ります。
実はこの店、我々日本人にはギョッとする展示物があるのが特徴。中を覗いてみましょう・・

上の看板に表記されている様に、第二次世界大戦時の対日戦線展示物が飾られているのが、この店の特徴なんですね。
ライフルや旭日旗、その他生々しい展示物もあって、少々複雑な気持ちになってしまいますが、壁にはこんな張り紙もあり、先方の「大人の対応」具合に、救われた気がしました(´･ω･｀)・・

「記　この壁に掲載されたポスター其の他出版物は第二次大戦に参加した「ナバホ族」の暗号部隊の活躍の歴史を展示したもので何等の反日感情を持つものではありません。（原文ママ）」

US-160を西に進みます。右手に寄り添う「Black Mesa & Lake Powell Rail Road」の鉄路。
この少し手前のBlack Mesa炭鉱から、石炭をレイクパウエル(Lake Powell)近くのナバホ発電所(Navajo Generating Station)まで輸送する貨物軌道で、客扱いはありません。
以前見ることができた電気機関車牽引の貨物列車を、今回見ることができず、少々残念です・・と、そんな事よりも、何故か急に天気が悪くなりました。一抹の不安がよぎります・・

とうとう雨が降ってきました。(ﾉ∀`)ｱﾁｬｰ
ちょっと奥さんヤバいですよｗ　いやなにがヤバいって・・
雨降ったらあそこに行けないんです・・アンテロープ・キャニオン(Antelope Canyon)に(；´Д｀)・・

US-160をこのまま真っ直ぐ進めばグランドキャニオン国立公園(Grand Canyon National Park)に連れてかれますが、あえて途中で踏切を跨ぎつつ、右折します。
レイクパウエル湖畔のペイジ(Page)へ向かう、アリゾナ98号線(AZ-98)に進路を取りましょう。
雨は小康状態に落ち着きましたが、路面はこの通り・・かなり降り注いだ模様です。
ダメだこりゃｗｗｗ と言いつつも、実はそんなに落ち込んだ気分でもありません。
その具体的な理由は、おいおい挙げていきましょう・・

ご存知の方ばかりだと思いますが、アンテロープ・キャニオンは通常は乾いた「枯れ川」であり、地面の底を深く削り、半地下状態になった川底を歩く、このAZ-98沿いにある景勝地です。
しかし今日みたく上流で雨が降ってしまえば、瞬時に生きた川の流れとなるわけです・・
実際1997年に起きた鉄砲水で、逃げ遅れた11人が犠牲となった、悲惨な事件もありました・・
だから今日オープンしてたとしても、とても怖くて行けません(((( ；ﾟДﾟ)))
まあ一応駄目だとわかっても、とりあえず目的地近辺まで向かいましょうか・・

乾燥した気候の下でしか見られない、クラゲの足のように前方に降り注ぐ、雨のカーテン。
AZ-98。実は僕はこの道の大ファン、恐らく日本で一番のファンだろうと思っています(´･ω･｀)
最初にここを訪れた時、道中に横たわる不思議な岩と巨大な建造物とのコントラストに面くらい、現実感が湧いてこない、何と言うかシュールさすら漂う風景に、ただ圧倒されたものです。
今回は悪天候も輪をかけて謎めいた感を演出し、こんな状況で再訪できるのが、とても嬉しい・・
さらに禍々（まがまが）しいばかりの車窓の風景を、引き続きどうぞ。

まず印象的なオブジェはこれ。レイクパウエルをバックに佇む、豆腐のような形状をした奇岩。
かなり遠くから、異様な風景として視界に入ってくると思います。
巨大な高圧鉄塔群と大自然との奇妙な融合。こうした風景がAZ-98の特徴です(´･ω･｀)

で、大変ｽﾐﾏｾﾝ・・以前この岩をタワービュート(Tower Butte)だと紹介した事があったんですが、今回の再訪でそれが誤りである事が判明しました○|￣|＿
こんなにインパクトの強い存在でありながら、いろんな地図を見ても名前がつけられていません。なんとまあもったいないことよ（´Д｀；）・・
でももしかして名前はあるのかも知れない。ご存知の方、教えて頂けませんでしょうか・・

上の奇岩を通り越した後で視界に入ってくる、原発の炉心搭のような形状のタワービュート。
この一体はグレンキャニオン国立レクレーション地域(Glen Canyon National Recreation Area)と呼ばれる、巨大なレイクパウエルの水を湛えた、赤い岩肌の深い峡谷が集合する景勝地。
湖畔の岩肌は徐々にあらわになってきましたが、しかしなかなか水面が伺えません。

緩やかな下り勾配が続き、その向うに薄くレイクパウエルの水面が伺えるようになりました。
手前にナバホ発電所。マッドサイエンティストが何かいかがわしく危険な物を製造してそうな、実に異様な雰囲気を醸し出している「三本煙突」も、AZ-98の醍醐味の一つでしょうｗ
先の鉄道の終点でもあり、高圧鉄塔の起点。公害を避けるため一件だけ郊外に建設された感。何だかまるでシムシティのよう。
肝心のアンテロープ・キャニオンは、この発電所を少し進んだ先の、道の左右に存在します。
左側が上流のアッパーサイド、右側に下流のロウアーサイド、それぞれ駐車場も異なります。
一応入り口まで寄ってみましたが、やはりクローズ。仕方ない・・今回もスルーします(´･ω･｀)

いいか、みんな 　_
　　　　　　　　(ﾟ∀ﾟ )
　　　　　　　　(|　y |)

こぶしを上に挙げて「おっ」
　　　　　　　　　 _ 　∩
　　　　　　　　(　ﾟ∀ﾟ)彡　おっ
　　　　　　　　(|　y |

下に降ろして「ぱい」だ
　　　　　　　　　 　 _
　　　　　　　　(　ﾟ∀ﾟ)　ぱい
　　　　　　　　(|　y |⊂彡

後はこれを繰り返せ
　 _ 　∩
(　ﾟ∀ﾟ)彡　おっ
　 _
(　ﾟ∀ﾟ)　　ぱい
　⊂彡
　 _ 　∩ 　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　∩
(　ﾟ∀ﾟ)彡　おっぱい!　おっぱい!　 (　ﾟ∀ﾟ)彡　おっぱい!　　おっぱい!
　⊂彡 　　　　　　　　　　　　　　　　　　⊂彡

アリゾナ98号線。この道は、僕が密かに愛でる道・・
ルート66をトレースする旅も捨て難いですが、こんな道を発見し、寄り道するのも、一興です。

ここはペイジ。元々はグレンキャニオンダム(Glen Canyon Dam)建設のために造成された町。
今やレイクパウエルでウォータースポーツをする為のベースキャンプのような、「遊び人」の町。
この町には全くもって特殊な時間が流れるため、注釈をつけておきましょう。
以前作成した早見表より、一部抜粋、改変してみます。

州	都市、観光地	ﾀｲﾑｿﾞｰﾝ	ｻﾏｰﾀｲﾑ	時刻
ユタ	ﾊﾞﾚｰ･ｵﾌﾞ･ｻﾞ･ｺﾞｯﾄﾞ、ｻﾞｲｵﾝNP	MST	採用	9:00
アリゾナ(ｲﾝﾃﾞｨｱﾝ居留区)	ﾓﾆｭﾒﾝﾄﾊﾞﾚｰ、ｹｲﾔﾝﾀ ｱﾝﾃﾛｰﾌﾟｷｬﾆｵﾝ	MST	採用	9:00
アリゾナ	ペイジ	MST	不採用	8:00

下の地図でもおわかりの通り、この辺はユタ州とアリゾナ州がややこしく入り組む界隈。
その中でもこのペイジの町に限り、周辺よりも1時間早い時間が流れる事に、留意して下さい。
（細かい事を言うとこの町だけが特殊という訳ではなく、たまたまこの周辺のアリゾナの各所が、インディアイン居留区内で、サマータイムを採用している事に起因する訳なのですが）
何とすぐ傍のアンテロープキャニオンですらインディアン居留区。1時間の時差が発生するので、ツアーの集合時間を間違わないよう、注意が必要だ(ﾟ�听)

※以上はサマータイム期間内（3月第二日曜〜11月第一日曜）のみの記述ですので、ご注意下さい。

AZ-98はペイジの町でUS-89に突き当たり、そこで終点となります。
ここを左折しホースシューベンド(Horseshoe Bend)に寄ってもいいのですが、時刻は既に18時。逆光で満足いく写真は望めないでしょうから、明朝訪ねる事にします。
であれば右折し北へ向かいましょうか・・前方すぐに現れる、巨大なグレンキャニオンダムの脇に架かるアーチ橋を渡りきり、背後の絶望的なまでにに垂直な壁とともに一枚。
相変わらず、眩暈を覚える光景・・よくこんな所にこんな物を造ろうと考えたものです(´･ω･｀)
「巨大な物が怖い」強迫観念を覚える方には、トラウマ必至な界隈。お勧めしません。

ダムに堰き止められて出来たのに、まるで地球創世記の風景のような、レイクパウエル。
本来の喫水線はもっと上の、岩肌に残る茶色と白色の境。下流に横たわるミード湖(Lake Mead)の高い水位を維持し、ラスベガス(Las Vegas)やロサンゼルス(Los Angeles)の水源確保の為に、大量の放水をする事が、この人造湖に課せられた義務。縁の下の力持ちですね(´･ω･｀)
にしてもどこか違う惑星に降りたような気分・・「猿の惑星」かと思ったら、地球だったと言うｗｗ

アンテロープ・キャニオンに代表的されるように、この界隈は基本的には天候に恵まれないと、せっかく来ても訪れる事ができない場所が多く、ちょっと運任せな所があり、困ったものです。
ですが、じゃあ天気が悪いとツキに見放されるのかと言われると、そんな事は全くありません。
例えば悪天候の垣間に一瞬、夕陽が射したタワービュートと、グレンキャニオンの岩肌。
我ながらこの写真が、この旅一番のお気に入りだったりします(　･ω･)
US-89をダムからほんの5マイル程走った適当な場所から。僕の見つけたシーニックビュー。