Departure (Narita → LAX)

2016年8月31日、成田空港第一ターミナル。ご無沙汰です。久々に米国に戻ります。
今回も今時のアメリカをいろいろ紹介していきたいと思ってます。まあ難しい事は後回しにして、軽く行きましょうか(　･ω･)

今回もロサンゼルス(Los Angeles)まで飛びましょう。搭乗するのはシンガポール航空SQ12便。成田発米国路線で2016年夏現在、唯一エアバスA380-800型を使用中。
2006年夏の二度目の渡米時も同じSQ12でしたが、その時の機材はまだボーイング747-400。あれから10年経ち、ようやくオール二階建ての機材にお世話になる事ができました。
以前書いたように、昨今長距離便でも双発機がトレンド。でも4発エンジンだと何かと安心。
やっぱり太平洋超えはこうでなくちゃね。それに王者の風格すらも感じさせます。

のっけから何ともな話ですが、実はこの成田→LAX行きのSQ12（LAX→成田のSQ11も同様）、2016年秋ダイヤから、ボーイング777-300ER型に機材変更されてしまうんですね(´･ω･｀)
理由は新世代機A350 XWB型でのシンガポール→サンフランシスコ直行便が開設される事で、そちらにだいぶ流れる予測上、キャパシティを調整されてしまう結果なのだとか・・
しかしB777とは言え、現行A380よりは若い機齢との事。A380だから新しいかと思っていたが、これでも就航から9年近く経つんだとか・・時の流れって怖い（　ＴДＴ）
機材変更で居住性は向上するのでしょうが、残念なのはSQ11のLAX出発が15:45から10:00発に大幅に早まってしまう事でしょう。
うーんこれじゃ、帰国前日はLAX近くに宿をとるしかないから、今後使い辛くなってしまう罠・・
という訳で備忘録みたいなA380搭乗記になってしまいますが、ご了承下さい。

ま、そんな事は俺の知った事かｗ 自分の目で見た事だけレポートする事にしましょう。
今回も窓際の席を確保してます。機内に誘導され早速、シート周りをチェックします。
メインデッキの窓周りは写真の通りに余裕があり、かつ足元も急激に絞られてるわけでないのでそんなに窮屈さを感じる事もなく、エコノミーにしてはまずまずのシートピッチだと言えましょう。
これなら長時間の拘束でも、トイレ以外に気になる事はありません。

座席の背もチェックします。給電可能なUSBポートは当たり前として、映画鑑賞に十分耐え得るシートモニターサイズ、裏返すとジョイスティックに変身するエンターテイメントシステムボタンも、相変わらずのSQらしさと言うか、流石な装備でしょう。
ズートピアはいいぞ。

天井からバタバタ足音が響く事もなく、普通に座ってる限りはこの機材が二階建てだと意識する事もありませんが、機体の後方に設置されたメインデッキとアッパーデッキを結ぶ階段を見ると、ああ今搭乗してるのはA380なんだなあと思わずにいられません。
ちなみに2Fは全てビジネスクラス。探索しようと階段を上ってみたものの、侵入禁止の札が行く手を阻むわけで・・ エコノミー如きがおこがましいと叱責された気分でもありました( ;∀;)

搭乗者の人種は白人：黄色人種：インド系：その他=3:3:3:1な感じでしょうか。以前もSQ12便にはインド人が結構乗ってるなと感じてましたが、エアインディアとの共同運航便なんですね。
凄いなインド人、アメリカなんて殆ど地球の裏側じゃないか・・何しに行くんだお前らｗ
ま、しかし、今日の搭乗に至るまで、迷走台風10号の進路にやきもきさせられてました・・
あの日本近海で発生して、何故か南西諸島付近まで南下しちゃって、そこで自分が台風だという事を自覚したのか、その後意味不明な左カーブを描き太平洋側から上陸したやつですね。
今回の旅ではLAX到着の3時間後、国内線に乗り継ぎをしなければなりません。間に合わなくなったら全く予定が狂ってしまうので、全責任を台風に押し付けて中止も検討してました。
杞憂に落ち着き安堵してます。シンガポールスリングうめえｗ

文句も言わずに黙々と、富裕層も私の様な貧乏人も一緒に運搬してくれる、頼もしき航空機。
僕は高所恐怖症だとか飛行機嫌いではありませんけど、それでもどういうシステムで何百人も詰め込んで空を飛び、目的地まで運んでくれるのか実に信じがたく、そう言う事を考えてしまうといまだに少し怖く思える時があります・・
「ジュラルミンの塊が、空を飛ぶわけがないんですよ」とは、3年B組金八先生の弁。
きっとあれだ、ワイヤーで吊るしてるんだｗ そうとしか考えられん(´д｀)

毎度のことだが、なかなか意識が夢の世界に飛んでくれない。寝付けないんです・・
しかし断片的に記憶が欠落している気もするし、それで十分だと思うしかない。
左サイドにはそろそろ大陸が見える筈。でもこちらじゃまだ無理。瞼を瞑るしかやる事がない。
音速のくせに殆どマーキングの動かぬ長距離便の途上。フリーズしたような拘束感・・

機内サービスのざわつきが耳の奥から聞こえ、まどろみから徐々に覚醒され始めます。
窓のシェードを開けると、ほら、また異国に来たよ・・
全く、涙が出そうさ・・

サリナス(Salinas)上空1万メートル。眼下に見えるのは、モントレー(Monterey)の海岸線。
キリンジの「エイリアンズ」をどうしても聴きたくて、iPhoneからイヤホンを耳に伸ばします。
十何年も前の曲ですが、恥ずかしながら僕がこの曲に出会ったのは、渡米の約一週間前。
誤解を恐れず言いますが、この世で一番美しい曲ではないでしょうか・・

遥か空のエアバスは、カリフォルニアのセントラルコースト(Central Coast, California)に沿って、最初の渡米時に通過した、多少内陸な航路をなぞっているように見えます。
懐かしくて乾燥しきった景色は12年後も相変わらず。ドライレイクが見えてきました。

砂漠に灌漑農園、水の流れぬ河川。日本ではあり得ぬアメリカ(America)西海岸の風景。
窓際シートに漂う自分はこの曲を何度もリピートしつつ、トイレ移動がしずらくても、自由。
自分の生活圏からどこか遠くに連れて行ってくれる飛行機が、僕はもう大好きです。

まだ空に想いを馳せたい気分ですけど、名残惜しくもロサンゼルス国際空港(LAX)が眼下に。
今日も風は海から吹いている様子。機は一旦陸側に向けて進路を取りました。

今回ロサンゼルスには空港だけを利用し、通過するだけの予定。偉そうな計画をしたものです。
少し不本意ですがこの街には上空からの風景だけで、手を打つ事としました。
ダウンタウン(Downtown)上空を過ぎたあたりでファイナルランディングに向けてLAXへ舵を切り、機体はハイウェイを横目にラストダンスを踊りだしました。

無事到着。お世話になりました。
異邦人をエイリアンとはよく言ったものだと思います。どちらも空からやってきますからね・・
読者の皆様、この先も時間があればどうかお付き合いください。大した事は書けませんけども、含み笑いくらいは提供できるかと思います。あらためてよろしくです(*´ω｀*)